文を書く in TOKYO

ファッションとエンターテインメントについてふわふわ語る

帝国劇場は心のオアシス 〜Endless SHOCK 2018&帝劇改装前の様子を記録〜

2018年2月、今年もSHOCKの季節がやってきていた。半年前、日比谷の帝国劇場では、連日堂本光一主演ミュージカル「Endless SHOCK」が上演されていた。

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2018年のSHOCKは、キャストが大幅に変更されたことで話題を呼んだ。

まずは、光一演じるコウイチのライバル役に、中山優馬を抜擢。

数多くの舞台をこなしてきた優馬くん、納得の配役だと思った。内博貴くんが初めてライバル役に選ばれた時のSHOCKのドキュメンタリー番組で、座長と同等の“華”が必要なポジションだ、という内容のナレーションが入っていたけど、めっちゃ華あるんやで、優馬くん。なんだろうね、あの品の良さというか、存在感は。凄いイケメンであるのに加え、何か不思議なオーラがあるよなあ。インタビューとかを読んでても、ものすごい熱意でSHOCKに向かっている感じがして、熱意+努力+華で最強コンボじゃね?!中山優馬ハンパなくね?!と思いました。

それでいて、近年ライバル役を務めてきた内や屋良くんとはまた違うキャラクターというところが何とも言えず良いですね。座長・光一よりも年下だからこそできるライバル像。コウイチとは対等ではなく、コウイチを追いかけていく立場、潜在的なコウイチの後継者であることをにおわせるような、印象を持った。ユウマの苦しみや行動は、“青さ”ゆえの過ち、みたいな描き方になっていたのかしら、とも思いました。階段の上で、演技用の刀ではなく本物の刀だと気付いた後も演技を続けるコウイチに対峙した時、下に居る松崎くんに「マツザキ止めろ!!止めてくれよ!!」って言ったのリアルで良かったな。

でも本当に、優馬くんはめちゃ上品な人だと思った。立ち振る舞い?佇まい?座長がパンフレットのインタビューで、“内向的に見える傾向がある”と表現していた部分がそうなのかな、とも思うけど、歌や台詞の発声、話し方から、育ちの良いライバルに見えました。優馬くんロイヤル……。ハスキーボイスで関西弁の王子……。

 

ヒロイン・リカ役には瀧本美織美織ちゃんが見せてくれた、芯が強くてまっすぐなリカ、ちょっと忘れられないわ!!!私はこう思うからこう動いている!みたいな意思が見えるリカだった。あと透明感が半端ねえええ!!!まじ透明感ありつつも、でもしっかり自分の夢も持っている。

カンパニーで一緒に成功したい、みたいな気持ちが伝わってきた「ONE DAY」。コウイチにネックレス渡すときの、「私たちみんなからの、気持ちです。」美織ーーーー!!!!!!思い出すだけでマジ泣きそう。あの、自分の好意を込めたネックレスなのに、みんなからのだよって言ってごまかす場面に、でもみんなからの気持ちっていうのも嘘ではないよ的なニュアンス込めてきた美織ーーーー!!コウイチに対して恋愛感情ももちろんありつつ、背中を追いかけて行くフォロワー的な姿勢とか、リスペクトする姿勢を、今までで一番感じられた。あと、クライマックス(コウイチの死を受け入れる場面)の「みんなもわかってよ…!」がたまらなく良かったです。

もう1回美織のリカが見たいけど、もう見られないのかな……(映像化願う、切実に)。

新オーナーの久野綾希子さん、めっっっちゃかわいかった!!

本当にお母さんみたいで、「コウイチ、大丈夫?」の言い方も母感出てた!小柄だけどちゃきちゃきしてて、明るくてみんなを取りまとめる、そんな感じのオーナーだった。オーナーとリカの親子感もすごく親近感のある感じで、久野さん出てくると緊迫した場面でも安心した。

 

あとは、今回はこっしー様々でしたね!!!こっしー様々!!!!越岡裕貴よくぞあそこまでやってくれました!!大好き!!!!

すみません、もうだいぶ経つのにあの時の興奮が蘇ってしまって……。いや、でも、ふぉ〜ゆ〜の中で、というか今回出演していない辰巳を抜かしたすり〜ゆ〜の中で、越岡さんあのポジション適任だったと思うんだよね!!福ちゃんはやっぱりコウイチに近すぎる存在だし、ザキさんもキャラ的にちがうし…ってなったら圧倒的お兄ちゃん感のこっしーが優馬くん見守る立場になるよなそりゃ!コウイチ適材適所の配置!管理職としてサイコー!!!

階段落ちの後のこっしーの絶叫も、ものすごく良かったな。。正常な人って感じがした。みんな呆然としてる中で、みんなに向かって「どうしたんだよ!!!」みたいに呼びかけるこっしー。1幕終わった後頭の中がこっしーだらけになったよ。トイレ列に並びながらこっしーやばいんだけどって、誰かにLINEしそうになったわ。

「Higher」も良かったよな…あくまでこっしーは中立というか、ユウマとコウイチの、そしてカンパニーの潤滑剤なんだよな…だからこそ「Higher」で自ら輪の中に入って、一緒に踊ろうってユウマに呼びかけるし、自分が輪の中に入ったあともずっとユウマのこと見てるんだよな……だからこそ、コウイチはいつもユウマの事気にかけてたんだって追いつめられたユウマに言えるんだよな……。うわああああってなってこっしーのフォトセット買ったわ。まじ良い買い物だった。

あと、私が幕間中に携帯に残したメモによると「SOLITARYの時、こっしー後ろの髪ピョンってはねてた」そうです。かわいいですね。

こっしーは、ふぉ〜ゆ〜でいる時は何となく、ツッコミ役と、軽いノリの御曹司みたいな立ち位置だけど、実は東山さん光一の系譜の、ミュージカル正統派ジャニーズでは?!と思いました。

 

あと、印象的だったのは「Dead or Alive」。

私大好きなんですけど、今回初めて気付いたのは、緑のライティングはゾンビ的な死後の世界で、赤のライティングが命の火の比喩?みたいなこと。光一さんが見せる死の世界、没入感ある感じで好きです。私が行った日は光一さんあんまり喉の調子が良くなかったらしく、カーテンコールで「お聞き苦しいところが…」みたいに言ってたけど、別にそこまで気にならないぐらい内容が良かったですよ!!!自信を持って言える!今回あんまり光一さんの事書いてないけど、光一さんのことめっちゃ見てたし、光一さんのことめっちゃすげえなって改めて思ったよ。新しいSHOCK楽しかった。

 

そして今、帝国劇場では「ナイツ・テイル」が上演中。

ミュージカル界のプリンス・井上芳雄さんと、ジャニーズ界のプリンス・堂本光一さんが共演しています。私はまだ行ってないのですが楽しみでしゃーない。もう。夏になってからずっとずっと楽しみ。

で、ここからは帝国劇場という劇場への愛を語りたいんですが、、、帝劇って本当に、行くだけで高貴な気分になれる劇場で、なんならわたしは王族かと錯覚するぐらい、立派で綺麗な劇場なんですよね。その帝劇が、なんと今年リニューアル!私は「ナイツ・テイル」に行く時やっと新帝劇に足を踏み入れられるんですけど、もうドキドキワクワク。

2月のSHOCKの時に写真をいくつか撮って、帝劇気分を忘れないようにしよう!と思っていたので、リニューアル前の帝劇を振り返ります。

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この明朝体の看板見えるだけで気分アガる。

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帝・国・劇・場

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不思議なお面とSHOCK、お花の雪崩。SHOCKのパネル、撮るの大変だった(混んでる)。

 

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「ナイツ・テイル」2月時点のポスター。お面&ステンドグラス。ステンドグラスの色彩と会場内のウォーミングな茶色のバランスがノーブルな感じする。

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電気もかっこよい。私は売店資生堂パーラーの「Beauty Princess」っていうゼリードリンク?を買って飲むのが好きです。売店ってビールとかも売ってるんだね。初めて知った。

 

 

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公衆電話とかのフォントも素敵。

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夏の気候と、半年分の疲れでやられ気味だけど「ナイツ・テイル」まではなんとか生き延びようと思う。「ナイツ・テイル」は私の血を沸き立たせてくれるだろうか。あーーー楽しみ!

七夕に幸福なナイトアウトを〜戦友となったバッグとともに〜

今週のお題「星に願いを」

七夕、一年に一度織姫と彦星が会える日ですね。

私も幸福なナイトアウトがしたいです。デートに限らず、友達同士でも家族とでもいい。ウキウキしながら、少し着飾りながら、夜に出かけるあの高揚感を最近味わっていない。『ラ・ラ・ランド』の序盤に出てくるような、ハッピーナイトアウトができる時は心身ともに健やかなる時だと、近頃実感しています。下半期はそういう機会が増えるといいな。下半期に限らずこれからは。

あと、これはお願いということでは無くて下半期に頑張りたいことですが自己肯定感が欲しい。他人と比較したり自意識の中でなんらかの不安と戦ったりすることがすーごい多いな、と自覚しました。みんなこの自意識とどういう風にやりくりしとるんや……。美人で仕事も気配りもできる女の子に心の底で嫉妬したり、自分の発言やそれに対する反応を後になって反芻してはぐるぐる落ち込んだり、どうにもならないこのどろどろした自意識をどうにかしなくては。

 自己肯定感の低さゆえに投げやりになって、無駄な夜を過ごして消耗したり、好きな人に向けての振る舞いがいちいち下手だったり、この不幸サイクルはなんなんだ〜〜〜〜上半期どうしたんだ私は〜〜〜〜という上半期だった。ブログも気づいたら最終更新から2ヶ月以上経ってる。悩みすぎて、斗比主閲子さんのブログを喫茶店で1時間ぶっ通しで読んだし、お悩み相談のラジオとか狂ったように聞いてるわ。MBSの。明るくなりたいからハイヒールとかメッセンジャーのやつ聞いてる。この半年キレートレモンもよく飲んだもんですわ。願掛け好きやな私。

 

topisyu.hatenablog.com

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↑トピシュさんのブログに載ってた本買った。

 

自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法

自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法

 

 

でも人間不思議なもので、好きな人に会ったり好きなものに触れたりすると気持ちがふわあーっと軽くなっていく。改めて言うのも変な話ですが、自分の狭い世界の中でももちろんだけど広い世界の中で色々な事が起こりすぎて、時間って本当に有限だから、なるべくできるだけ、自分の好きな人や物と一緒に過ごす時間を大事にしたい、と思った。

前置きが長くなったけど、七夕から少し遅れて生まれたので自分に誕生日プレゼントを買った。きっと私の戦友になってくれるであろうアレキサンダー ワンのバッグ。ずーっと良いバッグ買おうって思ってた、ぐるぐる不幸サイクルにいる時から。自分をひっぱりあげてくれるようなバッグを必要としていた。

大体、バッグっていうのはなんていうかね、自己顕示の象徴なような気がしていて。やれセリーヌ、やれプラダ、やれシャネル、持ってるだけで「持ってますよ!!!」の主張がすごいじゃないですか。バッグが放つ主張の強さ半端ない。そんなアイテムあるか?他に。

バッグじゃないけど幼馴染の財布がアナスイからグッチに変わった時、わからんけどやっぱり彼女の表情も変わったように見えたんだよな。自慢ということでは無くて、自信かな。私もじゃあ自己顕示したろ!と思ったのです。これが私と私のバッグですよ!みたいな。そして、ずーっとずーっとアレキサンダー・マックイーンのバッグを狙っていた。そう。私が欲しかったのはマックイーン。アレキサンダー ワンではない。

 


Alexander Wang Collection 1 2019 Runway Show Recap

 

マックイーンのテーラリングの美しさが好きで、ブランドのエッジの効いた雰囲気もすーごい好き。洋服も、小物も1個も持っていないマイ憧れブランド。イエモンのパールのPVで吉井和哉マックイーンの時計してるな!って思ってからはますますマックイーンのアイテム欲しいと思ってた。

 

で、買いに行ったんだけど、ちょっと私憧れすぎててショップの敷地内に入れなくてですね……別の百貨店で下見に行った時は入れたのにね。しかも販売員さんに品番まで書いてもらったのにね。同僚と欲しいものの話をしていた時に、「クロムハーツのブーツが欲しい!これだ!」と感じたけど取り敢えず試着だけして帰った(めっちゃ高かったらしい)、というエピソードを聞いたのを思い出した。試着しただけ偉いな、ショップからしたらよろしくないかもしれないけど。

そしたら、いや、買ったとして本当に使うか?とか、ショップを遠目にいらんことを考えてしまって、またぐるぐるしてたんです。頭ぐるぐるしながら、百貨店のフロアぐるぐるしてたら、たまたま目が合ったのがアレキサンダー ワンの赤いバッグだった。

 

二度見、のち即決。そういうこともあるんやね。マックイーンは別のアイテムで、何かの機会にトライしよう。

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私は赤が好きだし、赤にまつわるものが好きだ。赤を見るとやる気が出る。唐辛子で赤くなってるほどほど辛い食べ物も好きだし、『ストロベリーナイト』の姫川が持ってる赤バーキンにも憧れてたし、椎名林檎好きだし、まあ何と言っても「Endless SHOCK」の夢幻かな。リボンフライングの、命が燃えるような赤。光一さんのメンバーカラーでもあるしね。 

 

 

これを機に、アレキサンダー ワン好きになりそうだし。ってかもうなってるし。今まで本当に「あんまりピンと来ないなあ、良いのはわかるけど」的な存在だったのに。こんなこともあるんやね。洋服も今度からチェックしよう。

これからはこのバッグとともに生きていく!ハッピーナイトアウトするぞ〜〜〜!

人間らしさとは、雑多な備忘録 〜森田剛結婚から、人間味に対する疑問まで〜

森田剛結婚

少し前になりますが、V6の森田剛宮沢りえと結婚しましたね。

元々付き合っているのは知っていて、週刊誌に写真が掲載されるたびに少し切ない気持ちになりながらも、2人とも何やら幸せそうな感じで、それならいいか、と思ってた。結婚秒読みか?!みたいな事も長い期間言われていて、どこかで心の準備をしていたかもしれない。

いざ事実を突きつけられると、予想外の寂しさが押し寄せてきたので不思議。発表翌日は、何もする気が起こらずにずっと家で携帯やPCを何となく見ていた。

私はKinKi Kidsのファンであり、イエモンのファンであり、椎名林檎のファンであり、ふぉ〜ゆ〜のファン。そしてV6のファンだ。

結婚が発表されてからは、イエモンやキンキの映像を見て過ごしていたが、今は何となくそれでは埋められないような気持ちでいる。どうしてなのかは、わからない。 

宮沢りえ森田剛が共演した舞台『ビニールの城』は、記憶に残る素敵な舞台だった。スペクタクルなところ、鮮烈な言葉の並び、森田剛宮沢りえが背負う陰、大好きだった。舞台が終わり、もう森田剛が演じる“朝顔”に会えない、と思うと悲しかった。

 森田剛宮沢りえも、結婚したという事実以外は変わらずに存在しているはずなのに、ただ受け止めるだけのことがなぜこんなにも難しいんだろう。3月に買った「The ONES」コンのDVDは未だに未開封のままで置いてある。今後、あのDVDを見られるようになるのはいつなんだろう。それともそのまま捨てたり売ったりできるようになってしまうのだろうか。

 

自分自身が結婚というものを曖昧に捉えているのに、紙切れ一枚のことなのに、なぜこんなに執着してしまうのか本当によくわからない。

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滝沢歌舞伎」初参戦

チケット激戦の滝沢歌舞伎。今年も見事に争奪戦に破れ、半ばあきらめかけていたところに復活当選の電話が……!!復活当選って、都市伝説だと思っていました。神さまありがとう。

「マスク」と「腹筋太鼓」を生で見られたのは嬉しかった。タッキーの帝王感もとい存在感、半端無かった……!華と、伸びた背筋と、端正な顔立ちと、あの上品な振る舞いはまさしく帝王でしたよ…。笑いあり涙あり、和風テイストのパフォーマンス、ジュニアたちのはっちゃけぶり、などなどごちゃ混ぜなエンターテインメント、すごく素敵だと思います。なんだこれは……!と思っているうちに次々入れ替わり立ち代わりいろんな演出が見られて、あっけに取られていた感じ。SHOCKとは違う良さがあって、本当に楽しかった〜。カンパニーの一体感も感じられました。

そして健ちゃんの「Maybe」で不覚にも泣く。そして健タッキーの「逆転ラバーズ」で不覚にも泣く(2回目)。三宅健、マジでV6の太陽だな…!と改めて実感しました。なんて言うのかなあ、上述の剛くんに対するモヤモヤをすこし浄化してくれたような感じになったんだよね。そんな個人的な感情や欲望を背負わすなよって感じだけど、こう、ずっとV6の剛健を見てきて、V6の曲で健ちゃんが歌ったり、ザ・アイドルな健ちゃんを見たりすると勝手に剛くんの声も聞こえてきてしまうんですよね。ええ、重症ですとも。健ちゃんのパフォーマンスへの真摯さや、ジャニーズのアイドルとしての自覚が感じられるようなステージだったと思う。

新橋演舞場に入るのも初めてだったんですけど楽しいね!!博多座を彷彿とさせるような、出店とかあってにぎやかで、日本の劇場だなあ!!という感じ。

はせじゅんと林くん、Snow Manを見れたのもよかった。佐久間くん、推せる……!

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個人的な疑問、人間味とは

知人に非の打ち所の無い人がいる。美人で、丁寧で、言葉遣いが綺麗で、かといって気取っている事も無く、人の悪口は言わず、マイナスなことも口にしない。私はすごいな、どうやって育ったらあんなに素敵な感じになれるのかしらと思っていたが、同時に「本当の彼女もそうなのかな?」という疑問が浮かび上がる。自分にとっては人間味というか、リアリティが無いくらいに、彼女は完璧なのだ。

そんな疑問が浮かび上がるのは、単に私がひねくれていて、コンプレックスだらけの自分と比べてしまっているからかもしれない。彼女の本心をこじ開けてみたいみたいな好奇心も有るには有る。しないけど。そんな彼女に対して、私と同じような感想を持っていた人が、「万が一あの子に無理させてたら嫌だな、と思って」と言っていて、その心の使い方が素敵だなと思ったので見習おうと思う。

そんなにたくさんの人と関わっている訳ではないけれど、世の中色々な人が居て面白いと思う。最近思う事は、私にとっての会話はバンドの演奏と似ていて、常に一定のリズムじゃなくていいから、遅くなりたい時に同時に遅くなって、早くなりたい時に同時に早くなりたい。バランスのとれた調和が大事で、でもそこまでわかっていてなぜ合わせてあげられないんだろう、みたいなところが今の私の課題。

 

metooやハラスメント諸問題について

直近ではTOKIOの山口くんが話題に上っていますが、続々明らかになるハラスメントのあれこれ、告発された側の対応だったり、世間の反応だったり、どれを見てもなんだか釈然としない。あと、立場の違いによって食い違う意見の溝が考える以上に深くて、多種多様すぎて、結局世論がどういう方向に向いているのかも日本国内で考えた時、よくわからない。勇気を持って告発を始めた人が登場したことはすごいことだし良いと思うけど、日本のmetooが盛り上がっているかと言われると、まだ盛り上がっているとはいえないと思う。対話が生まれそうだけど、断絶があるから対話が進んでいない気がする。白黒が行き来して、善悪のボーダーがなぜか曖昧に捉えられて、発言するのになぜこんなにリスクを伴わなければいけないのか、辟易する。

また、アラーキーに対する告発に関してはとても衝撃的だった。自分が美しいと感じていた写真が、死に至る寸前の苦痛や犠牲の上に成り立っていたなんて考えもしなかったのだ。KaoRiさんが受けた苦しみの内容もショックだったが、何より自分の想像力の無さを恥じた。

 

映画『百円の恋』

今更ながら見ました。安藤サクラが可愛すぎる。人を惹き付ける魅力とリアリティのある人だな、と思った。安藤サクラがボクシングに励むところを見て、筋トレしたくなりました。あと、周りを取り巻く登場人物のクセが強すぎるんだけど、世間ってあんなもんなんでしょうか笑?冒頭の渾身の姉妹喧嘩も痛快で爆笑しました。良い大人の姉妹がつかみ合いの喧嘩して、お母さんそりゃ泣くよね。クセ強いけど見終った後には爽快感が広がる。恋愛モードの描写の安藤サクラ、本当に可愛い。

 

百円の恋 [DVD]

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辰巳雄大主演舞台「雲の向こう、約束の場所

東京国際フォーラムのホールC、大きい会場での主演舞台。カーテンコールの時に、たくさんの共演俳優の方々とともに、センターに立つ辰巳くんを見て、心の奥底からおめでとう、と思った。

30代で学ラン!が話題になっていましたが、辰巳のまっすぐなキャラクターが高校生独特の青い感じにマッチしていたと思います。伊藤萌々香ちゃんや高田翔くんのみずみずしさも素敵でした。辰巳ちゃん、本当におめでとう。次やる役がまた楽しみになりました。ふぉ〜ゆ〜の「年中無休」もたのしみだ〜〜!

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映画『君の名前で僕を呼んで

まばゆい感じの恋愛ストーリーでした。主演のティモシー・シャラメの繊細な感じが良かったと思う。あんなに川や湖で泳いで遊ぶのかってぐらい水の中に入って遊んでいる。あと、登場人物が基本的にショートパンツを履いているんですけど、みんな少しずつ丈が短すぎでは、と思った。

おめかしは威嚇

お題「好きな作家」

私にとってはおめかしは威嚇。

日々の服は戦闘服だし、コートなんて身体ごとすっぽり、防御シェルターみたいな感じで守ってくれているじゃないか。正月に防御力強めな、足首くらいまで丈が長いコートを着ていたら、イタリアンのお兄さんに「ジブリみたいっすねー!それ!」と言われた。ジブリってどのジブリだろね…黒コートで思いつくのカオナシぐらいなんですけど…?

攻撃力高いアイテムはバッグ。昔、展示会の受付やった時に、色々なお客様のバッグをお預かりして、色々見ていると楽しかったし、とても立派なバッグを仕事用にしているお客様を見ると「負けてらんねえな!」みたいな謎の闘志が湧いてきた。でも4年間ぐらいバッグ変えてない、そろそろ変えたいんだけど。

昔、ドラマの「ストロベリーナイト」を見ていて、竹内結子演じる姫川が仕事バッグに赤のバーキンを使っていたのがうらやましくてずっとバーキンが欲しいって思ってた。バーキンなんて現実世界でお目にかかったことすらそんなに無いな、そういえば。夢は見るだけならタダだからいいか。

 

最近服にまつわる小説を読みました。

綿矢りさ『ウォークイン・クローゼット』と川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』。

綿矢りさは、いつも「そうだよなあ!」と共感させてくれる心情描写が心地よくて良い。川上未映子は、読んでいると「うっっ……そうだ…けど…ちょいしんどいわ。」って思う。小説は生々しいリアルを描いているというか、少しぬるっとした質感がお好きな感じがする。でも、エッセイはめっちゃ笑えるし、からっとした方なんだろうなあと親近感が湧いてくる。

 

ウォーク・イン・クローゼット税込638(2020/07/18時点)

『ウォークイン・クローゼット』は二十代後半の、洗濯が趣味な女の子の話。幼なじみの女の子はタレント、男友達はアパレル販売員のアルバイトを渡り歩いている男の子、と出てくる登場人物もなんだかファッショナブル。主人公のクローゼットには“対男用”のデート服が並び、タレントの幼なじみのウォークイン・クローゼットには、スタイリストが選んだ、きらびやかで上質なブランドの洋服がずらりと揃う。デート服と、公の場に出るときの衣装。

“私たちは服で武装して、欲しいものを摑みとろうとしている。”

目的は違えど、2人にとって、自分のクローゼットにある服は戦闘服だ。

あと、個人的にとても共感したのは、自分の洋服を前に、「何を着たら良いのかわからない状態」に陥る場面。

“迷うなら、いっそ会う人にどう思われるか考えずに、本当に自分の好きなカッコをしてみたら?自分に提案してみるけど、こうしてクローゼットの中の服たちをベッドの上に出したら、本当に着たい服なんて一枚も無い。(中略)爪をかみ、散らばった服を眺めながら時間だけが過ぎてゆく。”

主人公は、常に会う人ごとにコーディネートを考えていたから、全く異なるグループの女友達と男友達に同時に会う約束をしてしまった時、何を着ていけばいいかわからなくなってしまう。

私の場合は、ちょっと非日常的なイベントがある時に起こりがちかな。舞台の時とか、都会に出かけなければいけない時とか。今まで何気なく着ていたコーデもなんか今日はしっくりこない、かといって冒険の組み合わせもピンとこない。何を着てもイマイチで、着たい服がクローゼットの中に無い。あの瞬間なんなんでしょう?本当に。結局イマイチなまま1日過ごしたことも何回もある。そういえば、服を買う瞬間は、持っている服との組み合わせは考えても、どんな時に着よう、ってことまではあまり考えないな、と気付いた。お出かけする時にも着られるだろうと思っていても、いつの間にか近所に行く時しか着ていないような服もある。

印象的だったのは、タレントの幼なじみが自分の服をありったけ段ボールに詰めて主人公にあげてしまう場面。自分を高めてくれる洋服達を、すっかり友達にあげてしまうその爽快感が清々しい。あと、もらった方の主人公は、すぐには着こなせないことに少しがっかりはするけど、自分なりに着こなしてみせるぞ!というポジティブな姿勢にすぐ変わっていくのが良いね!という感じ。今まで“対男用”の服しか持っていなかった女の子が、素敵な服を手に入れて、これから「自分」を磨いていくであろう予感をさせてくれるところが、良いなあファッションってそういうものだよなあと思いました。

 

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『すべて真夜中の恋人たち』にも、友達が良い服をたくさん送ってくる場面がある。こちらはブランド服からヒール靴、新品の下着までトータルコーディネートの宅配便。

“聖の洋服がラックにまじってしまうと、まだそこにかかってあるわたしの服は何もかもが急に色あせてみえた。”

この後主人公は自分の服を捨て、もらった服を身につけてデートに繰り出すのですが、やっぱりデートの気持ちを盛り上げる服とか装いって大事なんやな。ちゃんと気分が盛り上がっている、浮ついた感じが描かれていて、キラキラとしたデートが展開される。心理描写と相まってロマンティックなシーンになっています。

まあ、この服を送ってきた友達、めっちゃ押しの強い感じで強烈。自己主張が強いことは素敵だし、この友達もいいやつなんだけど、何にせよ押しが強い。友達と主人公の言い合い(というか、この友達が一方的にけしかけてくる)のシーンがあるんだけど、友達の言っていることがとても核心を突いていて、私は「ウッッ」となりました。人付き合いが苦手な主人公に向かって、「他人と関わっていくのはそもそも面倒なこと、それを回避して自分は傷つかない場所にいながらセンチメンタルに浸っている生き方って楽だけどどうなの」みたいな指摘を畳み掛ける友達、まじ怖……と思いました。私も思い当たる節ありで、「あ、私もそれやってるわ…。」と思って若干反省した。

ちょっと話がそれますが、気の強い友達キャラ、好きです。この『すべて真夜中の恋人たち』における聖もそうだし、『図書館戦争』の柴崎とか、『はいからさんが通る』の環とかね。自分が思った事ストレートに言ってくれる人、しんどいけどありがたいのよね。

 

あと川上未映子ってとってもファッションが好きなんですね。インスタとか見てるとキラキラしているし、フリルとかリボンとか、キラキラとか、女の子が好きな王道!っていうディテールの服がお好きのようです!もっとクール美人系の人だと思っていたので意外だった。でもクールフェイスにフェミニンの組み合わせ、素敵。ファッションについてのエッセイ『おめかしの引力』も読みました。

 

おめかしの引力

おめかしの引力

 

 

 川上未映子コレクションの凄さにびっくり。いや、ベストセラー作家なのだから当たり前と言われれば当たり前なのですが、バーキンもケリーも持っていて、ドリス ヴァン ノッテンやアレキサンダー マックイーンのブラウス、トーガのワンピなどさすがに良い服をたくさんもってらっしゃる…!旦那さんはエディ・スリマンが好きとかおしゃれやなあ。

 

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面白かったのは、「ワンピースと納豆」のエピソード。新品のワンピとヒール、化粧もばっちりで向かった先はスーパー、結局納豆を買っただけで帰った、というお話なんだけど、「あるある〜」と声が出た。メイクアップして、おしゃれな服を着て、薬局だけ行って帰ってくることなど頻繁にある。私の場合は化粧終わったあたりで体力を半分ぐらい消耗して、出かける気力が維持できないからなのですが、川上さんはそれとは違い、おしゃれしたい欲が抑えられないから、キメキメの格好でなんとか出かけたい、という思いでスーパーに向かったという。ある種、おめかしモチベーションの高さを感じる。

あと、マノロラニクのパンプスにも言及していて、マノロの靴は本当に歩きやすいのだと、改めて思った。こんなに誰もが口を揃えて「歩きやすい」というヒールなんて他にあるだろうか。

 

kyanakoforyou.hatenablog.com

 『おめかしの引力』面白く読ませていただきましたが、ファッションエッセイってどうしてもトライ&エラーの話になるよなあ……とぼんやり思った。群ようこの『衣もろもろ』とかもそう。

 

衣もろもろ税込484(2020/07/18時点)

 

みんな苦戦しながらおしゃれしている。そう思うと少し心強い。

推しの舞台を見て自分の理解力のなさを思い知った、ぼくの友達 - ふぉ〜ゆ〜辰巳単独主演

ふぉ〜ゆ〜の辰巳雄大単独主演の舞台「ぼくの友達」を見ました。

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運良く2回見る事ができたのですが、1回目見たときは正直良くわからなかった、というのが正直な感想。

見たままに受け取り、聞こえる言葉のまま受け取ると理解する事が出来ない。あまりに受け身な姿勢で臨みすぎました、反省。あの、本当に何もできなかった期末テスト後みたいな心境で、DDD青山クロスシアターを後にしたわけです。ふぉ〜ゆ〜でイチオシの辰巳の単独主演だというのに!晴れの舞台を目の当たりにしているというのに!

でも周りにいた素敵なお姉さん達は楽しそうにキャッキャしていて、ツイッターを見てもとても面白かったとか、泣けたとか、「え…みんなわかったの?あれ?」って思いながら途方に暮れた。わかってないの私だけや。

情けない気持ちに鳴りながらカレー食べて帰りました。※美味しかった。劇場から表参道方面に歩く途中にあるから福ちゃんの「DAY ZERO」の時も行ける!

ハブモアカレー

食べログ ハブモアカレー

 

2回目に行く直前、めっっちゃパンフとツイッター読んだ。いや、それでも2回目不安だったけど。またわからなかったらどうしようって。私これ1回坂本くんの舞台でやってるんだよな。雰囲気だけ楽しんであとは「?」みたいな。あかーん!!私的にそれでは不完全燃焼だ〜〜〜! 

kyanakoforyou.hatenablog.com

 

でも、2回目は予習してきたという心の余裕があるだけで、思い込みかもしれませんが初回よりもすっと物語に入り込めた気がする。ネタバレをなるべく見ないようにする派だったけど、ネタバレで予習するのもまた良いかもしれない。

 

冒頭、辰巳が客席後方の入り口から登場。私の席は辰巳が通る通路よりも後ろだったので、同じ視点から、物語の世界へ突入する事になります。

水辺に面したフランキーの家を訪れる、辰巳演じるトニー。サングラスにスーツ、ネオンカラーのソックスが目立っていた。なんだか、ポール・スミスのビジュアルを見ているような、爽やかファッショナブルな出で立ちでした。辰巳もつよしみたいにファッション連載とかやればいいのにな。ファッション誌じゃなくてもさ、ダンスクとかさ。

 

この、トニーという男、まじで怪しい。初回見た時の「?」の一つ目は、トニーが怪しく、本当の事を言っているのか嘘を言っているのかわからなくて「なんなんこいつ?」の「?」だったと思う。適当に返事をしたり、辻褄を合わせているような、焦ったしゃべり方に、モヤモヤモヤっとした。

また、田中健の演じるマフィア、フランキーとのやり取りの中で浮かび上がる2人の共通の"友達”パーシー。重要な人物っちゃ重要な人物なんだけど、舞台上には出てこないし、トニーやフランキーとの関係性もはっきりと描かれる訳ではないので、「パーシーって結局誰やねん」っていうのが2つ目の「?」。

 

でも、2回見て思ったけど、上記の2つの疑問はそんなに大事ではない。…多分。というのは、結局トニーがフランキーに近づいた目的は後半部分ではっきりと描かれていて、前半部分のやりとりが嘘だろうが本当だろうが、どっちでもそんなに物語の本筋に影響しない。また、パーシーという人物そのものは観客の想像力に委ねられているが、パーシーを介したトニー、フランキー、そして香寿たつきが演じるシャロンの3人の関係性こそが重要なのであって、パーシーって誰や?にとらわれていると話についていけなくなってしまう。というか、私は初回、それでついていけなくなった。もちろん、パーシーは結局どんなやつだったんだろう?とか、トニーはどうしてあんな事を言ったんだろう?とか後で考えるのは楽しいと思う。

 

シャロンの存在は、物語のアクセントになってとても良いなあ!と思いました。彼女が作るミントジュレップがまずいとか、彼女が実はトニーのファンだったとか、抽象的な世界の中ですごい現実に近いというかわかりやすい行動を取ってくれて、身近に感じられる。香寿さんだったからあのキャラだったのかなあとも思う。とってもチャーミングだった。香寿たつきバージョンのGACHIも見たかったな…(まだ引きずっている)。

 

kyanakoforyou.hatenablog.com

 

ミントジュレップ飲んだ時のトニーの声面白かったなー。コミカルな感じ。コンビニ強盗のところもなんとなくわちゃわちゃしていてコミカルで、そういうところって、辰巳の魅力だなあと思う。ふぉ〜ゆ〜でいると、ザキさんとか福ちゃんがキャッキャしてるイメージだけど、アワアワしている辰巳、よかったなあ。あとは柱に手錠で固定されているところですかね。シャロンにサイン書いてあげるシーンが印象的でした。転がるペン、動く椅子、手が使えないから足で引き寄せて書くみたいな、一連のトニーの動きと、トニーの大変さを気にも留めないシャロンのウキウキした可愛さ。舞台装置と、2人の立ち位置を上手く使った演出だなあと思った。

 

手錠にかけられたまま、トニーはフランキーに向かって迫真の演技を見せる。そこから、トニーの心が動かされていく様子が描かれているけれど、そこで「力(暴力、フランキーが象徴するもの) vs 芸術(映画、トニーが背負うもの)」みたいな構図が見えました。もちろん2回目の観賞で。芸術が力に勝てるのか、それとも負けるのか?みたいな、ギリギリのゲームが後半繰り広げられる。

たとえば、フランキーがトニーの演技に感動した瞬間は、芸術が力を抑えた瞬間で、反対に、トニーの悪ノリによってフランキーの機嫌を損ねた時は、優勢だった芸術が落ちかける。でも、ラストにかけて、トニーが出演する映画に協力的になっていくフランキー。フランキーによるノリノリの演技指導も見所の一つ。シャロンやトニーが、様々な表情で演技をはじめ、畳み掛けるような展開が面白い。辰巳振り切ってるなーと思った!

しかし最後の最後で、無茶な要求をトニーにけしかけ、形勢は逆転。映画を守るためにトニーは本気になれるのか?という所をクライマックスに描いている。

 

もし3回見ていたら、3回目はもっと楽しめたのでは……、と思う。2回目見て初めて気付けた点がとにかく多かった。でも良い教訓になりました。考えながら見ているつもりでいたけど、もっと想像力働かせながら見た方が楽しいよね。年始から良い舞台を見る事ができて良かった!単独主演おめでとう。

でもEndless SHOCKで踊りまくる辰巳も好きだから、次は出てほしいな(笑)!

(福ちゃんの「DAY ZERO」もチケットがとれますように)

私のアイドルが放つ殺し文句について

今週のお題「私のアイドル」

 

この人がこの言葉を放つから、ときめきで失神する、そんな殺し文句を彼らの歌詞から抜粋し書き並べてみます。

私のアイドルはKinKi KidsTHE YELLOW MONKEY椎名林檎(東京事変含む)です。ここではアイドルの定義=憧れの対象とし、アイドル活動をしている人、ということではないです。

歌詞カードを凝視する機会が悲しい事にあまりないので、耳に入ってとどまっていた言葉達をピックアップしました。音+言葉+歌う人奏でる人がいて、それがピタッとはまった、そんな時にリスナーとして仕留められる気がします。

 

 心のやり取りにまつわる

 妙な甘えでもう誰も失いたくない(東京事変 「心」)

帰り道の着信は 今も心揺さぶる 立ち止まり はやる胸に 届く 迷惑メール ほっとしたりもして(KinKi Kids 「星見ル振リ」)

返事がないね 君の心 僕の声 とどくの? 待っていたんだね ドアを開けて 言ってほしいんだね 大丈夫と 取り乱した君の腕は 僕がしっかりつかんで 離さないから(KinKi Kids 「勇敢な君に」)

 →ダイレクトに心の中や思い出に踏み込んできた、そんな言葉達だと思う。

 

生きるために

何も要らない私が今 本当に欲しいもの等 唯一つ、唯一つだけ(椎名林檎カーネーション」)

もっと不幸を知って・・僕の所為で噫草臥れて いかりに震えたら仕合せの合図さ(冨田ラボ feat.椎名林檎 「やさしい哲学」)

もしも彼らが君の 何かを盗んだとして それはくだらないものだよ 返して貰うまでもない筈 何故なら価値は 生命に従って付いている(椎名林檎ありあまる富」)

今まで僕らは世界一幸せになる為に どれほど加速して来たかわからない 神さまお願いです、あきらめさせて(東京事変空が鳴っている」)

潮は満ちてく ひざから肩へ 苦しさを越え 喜びになる 身体バラバラ 溶けてダラダラ 天国が好き 僕は幸せ(THE YELLOW MONKEY 「天国旅行」)

頭が有れば要は簡単に片付いて 子供と呼べば汚されないで済むのさ(椎名林檎 「意識」)

→生きていくためのアドバイスみたいな感じ。


椎名林檎 - ありあまる富

 

かわいい

もつと澤山逢いにゐらして下さい…さう口走つた君。僕は愛ほしく思ひ、大層動じたので、前髪の成す造形に神経を奪はれて、(椎名林檎 ポルターガイスト)

ラメ入りの紅茶飲んで僕達はゴージャス(THE YELLOW MONKEY ゴージャス)

鳥たちが飛び立ってくよ 高い空へと 僕等もいつかあんなふうに飛べるだろうか? 家に帰るときにも「じゃあな」と言って別れた 明日また会う約束なんてすることもなく(KinKi Kids FRIENDS)

→かわいいな、と思って。ラメ入りの紅茶ってどんな紅茶だ。

 

虚構

TVのシンガー これが現実 君の夢など思い過ごしさ 誰かの憧れ(THE YELLOW MONKEY 「TVのシンガー」)

どんな邪が 胸を侵して いつか枯れ落ちていくの 対になっていたって 輪郭がぼやけて 視線 捕まえられずに(東京事変 「シーズンサヨナラ」)

→幻だよね。

 

逃避行

何色のパスポートでも行けない場所を 僕の心に作れたらいいな(KinKi Kidsサマルェカダス 〜another oasis〜」)

この世は金 金さえあれば 恐くないね 僕の麗奈 お願いだ この僕と 手をつないで地獄を見に行こう(THE YELLOW MONKEY 「薔薇娼婦麗奈」)

ひとかけらの罪を 胸に隠したまま 新しいキスしないか 長い旅かもしれないよ(THE YELLOW MONKEY 「ロザーナ」)

→手を引いていってくれるような感覚が好き。「サマルェカダス」はより深い自身の内部への逃避行ですね。


ロザーナ / THE YELLOW MONKEY

 

愛について

“ねえ あたしは誰よりもあなたを愛してる”と 僕より残酷な歌を歌う(THE YELLOW MONKEY 「追憶のマーメイド」)

何度も誰かを好きになっても あなた以上、愛せない(KinKi Kids 「Million Secrets Of Love」)

誰もがわたしを化石にしても 貴方に生かして貰いたい(椎名林檎 「旬」)

粉々にしてよ 紫のサテンの夜なら(THE YELLOW MONKEY 「LOVERS ON BACKSTREET」)

→今のところ思い描く愛ってこんな感じ。


椎名林檎 - 旬

 

海とか空とか風とか

海の果ての果てで恋も欲望も 波のように砕け散って幻になれば(THE YELLOW MONKEY 「聖なる海とサンシャイン」)

鮮やかな夜が 零している 銀色暗号 問いたださないで 壊れるから(KinKi Kids 「銀色暗号」)

青空に目を伏せて ぼくは船に乗り込む 桟橋を走ってる 君の髪雪崩れて(KinKi Kidsスワンソング」)

誰よりも高い場所から 誰かにこっそり見られたい 雲に太陽のナイフが刺さって(THE YELLOW MONKEY 「砂の塔」)

言葉はもういらない ただ風に消えてゆく(KinKi Kids 「Tears」)

この景色は数々の犠牲を超えた希望の海 愛も求めるものじゃいけない 波へとそっと捧げていくものなんだ(KinKi KidsFamily〜ひとつになること」)

→だだっ広い海とか空はいろいろな人のいろいろな思いを知っている。


聖なる海とサンシャイン / THE YELLOW MONKEY

 

悲しみについて

恋はミステリー 人は胸に 悲しい謎をかくして 生きている 恋はミステリー 誰かぼくの胸のナイフを静かに抜いてくれ(KinKi KidsKissからはじまるミステリー」)

かなしみが声を殺してわたしを待ち構えている(東京事変 「絶体絶命」)

「何が悲しい?」と尋かれたって 何も哀しんでなど居ないさ 丁度太陽が去っただけだろう(東京事変 「落日」)

叶わぬ夢ばかり見てたよね 今もあの日の声がする 星の下の窓明かりの 哀しい色が瞳にしみるよ(KinKi Kids 「哀愁のブエノスアイレス」)

→いつも悲しいから「Kissからはじまるミステリー」はそうだよね、という感じ。「落日」は“太陽が去る事”から私達は逃れられないよね、ということを知った。

 

おまけ

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キラーワードということではなく最近の気づき。KinKi Kids「薔薇と太陽」の青空に咲いたよ、夜空に咲いたよに続く部分は愛から始まる生命の循環みたいなことだったんですね、という解釈に行き着きました。

儚く散った後は広い宇宙に投げ出されてただの個に戻っていくような感じ。

ふたつに割れた愛の欠片をKinKi Kidsの2人になぞらえることもできますね。

節まわし的には「愛され愛したならそれでいいじゃない」が好き。

 

シューズあれこれ〜陸王とマノロ・ブラニク〜

お題「最近見た映画」

遅ればせながらドラマ「陸王」にハマりまして。

老舗の足袋屋さんが業績回復を図るため、新規事業として地下足袋をベースにしたランニングシューズを作るお話ですね。

放映中全然見てなかったのが悔やまれる〜〜!めっちゃ良い話やん。私も一緒に世間の盛り上がりに付いていきたかったなあ……。役所さんめっちゃ良い社長さんや……!かっこいいし。

足袋履きたくなりました。マルジェラのタビシリーズ、欲しいとまでは思ってなかったけど今ものすごくきらめいて見えるぞ……。あまり良く知らなかったけど、タビブーツだけじゃなくてミュールとかフラットシューズもあるのね。メタリックタビフラットが可愛いと思います、強そう。 

↑タビブーツ、今日履いている方を見かけてアッて声出た。

陸王」が描く老舗足袋メーカー、こはぜ屋は物作りにおいて高い技術力を誇る企業でありながら、足袋の需要が減っていく現代の中で縮小せざるを得ない状況。めっちゃリアルなお話。

 伝統的な染めや刺繍の技術も、とても貴重なものなのに“需要が少ないから”というあまりに合理的であまりに冷酷な理由で継承が難しくなってしまう。当然のことだと言えばそれまでなんだけど、失われていけばもう取り戻すことができないのだから、守るか、発展させて技術そのものを保存していくかのどちらかしかない。

海外の民芸品もそうだし、地方に行った時にお土産屋さんに並ぶ民芸品もそうだけど、ああやって店頭に並べられているところだけを切り取ると、人が作っていることを忘れそうになる。でも、生地一つとってもそこに膨大な量の時間と労力がかかっているんだよねえ。そして良いものづくりをしている方達って、大概そういう時間と手間を楽しいと思っているんだよね。

陸王」も、ものづくりが楽しい!!大変だけど!!っていうこはぜ屋一同の情熱が描かれていて、そこがとても素敵だと思いました。原作も読んでみようかな。

 

陸王

陸王

 

 

靴つながりですが、映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』を見に行きました。


映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』60秒予告編


マノロさんもやはり靴を作るのがものすごい勢いで好きなんだな〜〜と思った。独特の上品な美しさは、マノロの研ぎすまされた美的感覚からくるものなんだなと実感。お庭もとてもきれいでした。植物が好きなんですね。藤の花とのシーンが印象的だった。

個人的には、ジョン・ガリアーノが出てきた時点で「ハッッッ、ジョン・ガリアーノ!!!!」と思いました。あの人愉快でスーパーユニークだから好きなんだよな。スクリーンいっぱいに彼の愉快な感じがあふれていました。そしてガリアーノの無邪気っぷりを飄々と受け入れているマノロもまたすごい。

マノロはもっと気難しい人なイメージを勝手に持っていましたが、思ったよりおしゃべり好きなのかなという印象。でも、自分の価値観みたいなところは固くて、他人に領域を踏み込まれたくない感じはした。


『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』本編特別映像

天才が故に孤独みたいなことってよく言われますけど、マノロの場合も当てはまっているように思う。でも、その孤独を自ら求めているような気も。

ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』のシューズもマノロだったのね。知らずに見てたけど可愛かったな。あのクラシカルな雰囲気とパステルカラーは、普段の自分が身につけるものには確実に選ばないけど、それでもときめく。

あとリアーナの貫禄がすごい。

「ハンギシ」というバックル付きのパンプスがかわいい。