文を書く in TOKYO

ファッションとエンターテインメントについてふわふわ語る

"変われない"から抜け出すX-Dayのために

2024年になりましたね。2023年は書きたいことがたくさんあったのに、立ち止まって考える時間をきちんととることができず、何か色々な流れに流されていきそうになる1年でした。

でも、憶えていたい気持ちに久々に出会ったし、忘れずに来年も考え続けていきたいこともある。新年になると色々とリセットされる感じありますよね。その感じが清々しくもあるんだけど、忘れたくないことを憶えたままで新たな一歩を踏み出していきたいと思います。

そして堂本光一さんお誕生日おめでとうございます。少しぴょんと飛び出てるアホ毛を気にしつつ、京セラドームのステージでバースデー&ニューイヤーカウントダウンを中継(インスタライブで)する光一さん、「真のスターはあなたよ…!」という気持ちで見ていました。おめでとうございます。

1月1日に一通りこの内容を書き終えたところで緊急地震速報があったことを知り、北陸の大きな地震に驚きました。被害がこれ以上出ないことを願っています。

キンキコン「2023-2024~Promise Place~」に行きました

KinKi Kidsのコンサート「KinKi Kids Concert 2023-2024~Promise Place~」東京ドーム公演の話をします。

私は東京2日目の12/17の公演に行きました。なんかもう、素敵な思い出しか残っていなくて大事に取っておきたい宝物みたいなコンサートだった。

冒頭からして完全に持っていかれました。車に乗ったKinKi Kidsが登場したと思ったらサーーーーッと外周を駆け抜けていったんですが「車?!乗って?KinKi Kidsが車に乗ってステージを駆け巡るの?!」って頭の中が「?!」だらけになりつつも一気に引き込まれたのめっちゃパワフルKinKi Kidsでラブだった。

だってまさか高級車で東京ドームの外周すると思わないじゃないですか、KinKi Kidsが。あまりのダイナミックさに、昔キンキが忙しすぎた時代に忙しさのあまりヘリ移動してたみたいな話を突如思い出した。そうじゃん、ヘリ移動もやってのけたKinKi Kidsだから、ステージ上に車で登場する可能性だってあるはずじゃんね……。出だしからスペシャル演出で度肝を抜かれました。かっこよかったな。歓声の中を颯爽と高級車で走り抜けるKinKi Kids。そして、その後に車の購入を剛さんに勧めるお茶目な光一さん。っていうかYouTubeの「P album」プロモーションの駐車チャレンジ*1って今考えると伏線だったんだね。壮大な伏線回収ありがとな…景気がいいわ〜。

 

あとまさか1曲目からメインステージから外周に出ると思わなかったので双眼鏡のスタンバイでわちゃわちゃしました(めっちゃ個人的な話ですみません)。オープニングを飾ったのは「シュレーディンガー」だったのですが、ホーンのキラキラした音がいっぱい入ってて良いですよね。疾走感もあって「99%LIBERTY」とか「Secret Code」みたいにぶち上がれる曲だから、これからライブでたくさんやってくれたら嬉しい。

そしてセトリが「P album」の曲盛り沢山で、超よかったです。アルバム曲の中だと「X-Day」が大好き。堂島孝平さんの提供曲で、歌詞では本当は変わりたいけどなかなか変われないもどかしさが描かれています。特に剛くんの「今日も元気7割減 また欠けてしまう」というフレーズが好きです、本当に元気が減っている時に聞くと曲が寄り添ってくれているように感じる。

あと、念願の「アン/ペア」を聞けて満足です。目の前の光景が尊すぎて、信じられなくてビリビリしていました。「アン/ペア」を聞くと2人が2人だな、と実感する。好きすぎて、『BANANA FISH』と絡めたブログを書いたのがもう2年前の夏のことでした。時が経つのが早い。

 

kyanakoforyou.hatenablog.com

 

また、ダンスのフォーメーションと照明の演出がアーティスティックでかっこ良かった「BANANA」、光一さんが剛さんの書いた詞について、よくあの部分に"I LOVE YOU"を入れようと思ったね的なことを言われていた「世界中をI LOVE YOU」、個人的に大好きな曲でライブで久々に聞けて嬉しかった「Solitude ~真実のサヨナラ~」、「シュレーディンガー」が華やかなゴールドの世界なら、銀色の世界に一瞬で連れていってくれる「銀色暗号」と本当に盛り沢山のセトリ。時空間があちこちにワープして、超スピードで世界一周の旅に出かけているみたいな気分になった。

定番曲も並びが素晴らしくて、特に「愛のかたまり」「スワンソング」「やめないで、PURE」の流れは“瞬間瞬間を逃さず目に焼き付けなくてはならない…!!”と目玉にありったけの力を入れて見ていました。「スワンソング」何回見てもあの向き合うところでドキドキしてしまう。

あと、なんと言っても花咲徳英高校の吹奏楽部と再コラボした「シンデレラ・クリスマス」の多幸感が印象的だった。2020年のクリスマスイブ、配信ライブ*2で「フラワー」を聞いた時に物凄く感動したのを思い出したし、あの時と同じように舞台上がキラキラしたエネルギーに満ちていた。剛くんが吹奏楽部の皆さんと同じ動きでぴょんぴょん飛び跳ねながら歌ってたのも可愛かったです。

MCでは、堂島さんが作業している様子を真似る剛さんのことをじっっっっっ…と凝視していた光一さんの姿が印象に残っている。そんなじっと見る?と思っていたら剛さんからも「銅像か」「ゴッホ展良かったな〜じゃない」とツッコミを入れられていてめっちゃ笑いました。光一さんが凝視したくなる気持ちはわかる。

 

また、過去曲を思い出して歌ってみるコーナーで「さよならのエトランゼ」があまりにも思い出せずに2人してしゃがみこんで打ちひしがれていたのも、めっちゃKinKi Kidsだな〜!と感じた光景で愛らしかった。

 

自分でも不思議だったのは、キンキコンの空間に身を置いている間、自分の中の「KinKi Kidsが好きだ」という気持ちが自分の中で確立されていくような感覚になったことでした。気体で存在していた「KinKi Kidsが好き」成分が液体を経て固体になっていったみたいな(?)

普段からもちろんKinKi Kidsが好きなんですが、仕事とか日常の中で色々な考え事をしているうちにどうしても散漫になっていく中で気持ちが気体化していたんだと思う。2023年は特に、色々なことを考えた年だったこともある。でも、コンサート会場の空間ではKinKi Kidsを前にして音楽に身を委ねていれば良くて、そうしていると「KinKi Kidsが好き」だという気持ちも形になってはっきり浮き上がってくるものなんだな、と感じました。

今思い返してみるだけで、舞台上でこうして光一さんと剛さんがいて、音楽があって、歓声があって……というキンキコンの空間が奇跡みたいな空間だったな、と思って心が満たされるような気分になる。コンサート終了後の数日間はKinKi Kidsが好きすぎて胸が苦しくなっていました。

「全部抱きしめて」の「こうちゃーん!」コールの後で歌わなかった時の光一さんの表情も、ラストの挨拶で言葉を言いかけた瞬間に後ろを向いた剛さんの姿も、とても眩しくて何ものにも変えがたいもので切実だった。私はもしこれから先もこの2人が舞台に立っていてくれたら幸せだろうな、と思ったし、もっといえば、私が幸せだと感じたこの空間が、私の好きなKinKi Kidsにとっても幸せな空間であればいいなと思った。幸せなコンサートをありがとう。

 

 

あとがき、2024年も憶えていたいこと

尚、ここからはあとがきとして、もう少し文を続けたいと思います。私自身が忘れずに憶えていたいことの覚書。

今回のドームコンは、いつも一緒に行ってくれている先輩が今回は都合がつかず行けなさそう…という話を聞いていたこともあり、例年2日連続で申し込んでいたFC先行を1日だけにしたのでした。そして先行受付が終わった直後に公開されたKinKi Kidsの感性ショート動画を見た瞬間、後悔して地団駄を踏み、声にならない声でうめき声をあげました(マジで)。

 

 

 

ただ、なんとなく思い返せばその時どこか力が抜けていて、2日間エントリーする気になれなかった。
キンキのチケット先行があったのは10月中旬だった。10月初めにはジャニー喜多川の性加害事件の対応に伴い、ジャニーズ事務所から社名を変更、また新会社を設立する旨の会見*3が開かれ、その後会見での指名NG記者リスト*4があったことが発覚した。また、10月9日には「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており、これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮して」いるため報道機関は、報道にあたり十分な検証をしてほしいといった内容の声明*5が、ジャニーズ事務所から出された。
なんかもう、力が入らなかった。やっとの思いで性加害を打ち明けて事務所に対して対応を求めてきた人たちの存在について、本当に尊重される日がくるのだろうかと思った。なぜ表に出てきて組織の方針を表明するのがいつもタレントなのだろうか。なぜ当時の組織状況を把握している人が説明しないのか。なぜ、「中には虚偽の証言をしている人もいる」という告発者への牽制にもなりかねない声明を"事務所が"出すのか。そういえば、遡って7月には「ご縁とご恩」を盾にしつつ、身近なところから出た体制への批判を「憶測に基づく」とした山下達郎さんの発言*6にも衝撃を受けました。
そして、何か動きがあるたびにSNSでは、被害を告発した人たちの方に矛先を向けた辛辣な言葉が飛び交うのがとてもしんどかった。驚いたのは、被害者を暗に責めるような発言が、普段から陰謀論めいたことを発言しているようなアカウントだけではなく、ごく普通のファンアカウントからも出ていたことだった。「もし声を上げればこういった状況にさらされるかもしれない」という、嫌な前例が目に見える形でどんどん形成されていったことがショックだった。
 
・今回は立場上弱い立場に置かれた人に対する権力を持つ者の加害であった。また、言い出しづらい組織的構造があった(退所すれば干される、組織内に言える場所が無いなど)。
・幼かったために被害を受けたと認識するまでに時間を要したケースもある。
・そもそも性被害は打ち明ける相手が身近な人であれ警察であれ、自分が受けた被害について話すのにとても心理的負担がかかる。
 
こうした点を考えれば、自分自身の安全がある程度確保された状況でないと被害を訴えるハードルは上がると思います。また、被害を訴え出た事で社会的に不利な立場に追いやられるリスクすらある状況の中、どうにか打ち明けた被害を矮小化されたり「嘘をついている」と切り捨てられたりすれば、被害者は二重に傷を負うことになる。
被害の声を聞く側にいる時、これまで被害に遭ったことを言いたくてもなかなか言い出せない状況にあったのではないか、ということを考えたいと思う。声を聞く、というのはそういうことなのではないかと。でも、ネット上の反応を見ながら傾聴する、ということがいかに難しいことなのかを痛感してもいる。傾聴する前に主観でジャッジしたり何かを言いたくなったりするのを止めるのが難しい。事件の当事者・関係者でない限り、少なくとも事件の真実についてジャッジするのは私でもないし状況を知らない第三者ではない。
ちなみに私の好きなアイドルについて呟くために長年使っているTwitterアカウントがありますが、不意に飛び込んでくるツイートの感情的な内容に辛くなり、一時期開かないようにしていました(Xになってからのおすすめ機能マジでいらんなと思ってる)。
たまたま今年読んだ本で、ユン・イヒョンの『小さな心の同好会』の「ピクルス」という物語の中に、会社で上司から性被害を受けている、と社員の1人から相談を受けた主人公が、取り巻く様々な人の反応を受けて自分はどう行動するべきなのか葛藤する様子が描かれています。主人公のソンウは元々“傾聴する”ことの大事さを知っていたはずなのに、それでも周囲の人達の噂や言動によって迷ってしまう。 

 

 

www.akishobo.com

 

『小さな心の同好会』、この他の物語も好きだったのでまた読み返したい本のうちの1冊です。特に「ピクルス」は、自分のとるべき態度を考えるヒントになった。

 

衝撃的な事実を知った時、自分も何か言わなければ、という気持ちにかられることもあるけれど立ち止まらなくてはいけない、ということをずっと憶えておきたい。一度立ち止まって、考えなければならない。そして、私は、あれこれ理由をつけて告発の声を聞こうともせずに抑えようとした人達がいたことを忘れない。

なお、ジャニーズ事務所として発表されてきた声明や報告書はスマイルアップのホームページ上にしっかり移動され公開されていました。特に、報告書は読んでいると辛くなってくるような部分も多く、過去のトラウマが呼び起こされることもあると思いますので、読まれる際は注意してください。
 

www.smile-up.inc

でも、一方でスマイルアップのサイト更新を見ていると、補償が徐々に進められていることも記載されており*7、スタートエンタテイメントの公式サイトにも人権についての研修や内部通報窓口の設置など、コンプライアンス体制の整備について言及*8がある。

一歩ずつ良い方向に変化している、という希望を持って今後を見守りたいし、また思うことがあれば単なるいちファンなりによく考えた上で意見を言っていきたいです。光一さんがチャリチョコ前の単独会見で“新会社に願うことは”と問われた時に「世界一クリーンな会社じゃないですか*9」と言っていたけれど、自分の好きなアイドルの人達が働く会社も、生きる世界も本当にクリーンであってほしい。

前述したKinKi Kidsの楽曲「X-Day」では“まやかしでは消耗する”、“本物だけでいい”、“もっと未来を好んでいたい”ということも歌っていて、この曲の持つメッセージが好きです。一度失望した世界であっても、そこから本物の変化を遂げる日を見届けたいです。

 

*1:

【難易度『激ムズ‼︎』】KinKi KidsがYouTube初企画で駐車対決|前編 - YouTube 

【YouTube初企画】KinKi Kids 激ムズ駐車対決の結末はいかに!?|後編 - YouTube

*2:ダイジェストがこちらで見れます。"X'mas with KinKi Kids gift selection 2020" Live Digest Movie 

https://youtu.be/9vRkUZVqwTA?si=uInllLxBtcgK4-Eq

*3:【ノーカット】ジャニーズ事務所が会見 社名をSMILE-UP.(スマイルアップ)に変更 東山紀之氏「ジャニーズという名前は全て消す」(2023年10月2日)| TBS NEWS DIG 

https://www.youtube.com/live/O6pM9Qpq-j4?si=IErICxm7vom73TiC

*4:ジャニーズ、NGリスト「コンサルが独断で作成」と主張 関与を否定 

https://www.asahi.com/articles/ASRBC3C2FRBCUCVL004.html

*5:2023/10/09「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」

https://www.smile-up.inc/s/su/group/detail/info-727?ima=4509

*6:【発言全文】山下達郎さん 「私が社長に対して契約を終了するよう促したわけでもありません」 松尾潔さんとスマイルカンパニーとの契約終了について ラジオで激白 

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/591646?display=1

*7:株式会社SMILE-UP.被害補償特設サイト 

https://www.smile-up.inc/s/su/page/progress?ima=3541

*8:STARTO ENTERTAINMENT 企業情報 

https://starto.jp/s/e/page/company_compliance?ima=3705

*9:【コメント全文】堂本光一、会見で心境語る 願うのは「世界一クリーンな会社」

https://news.ntv.co.jp/category/culture/36416e721eed4dc3b6e1b5ff2be11e49