その空間の中にはKinKi Kidsの作り出す世界のみが広がり、閃光のような衝撃が走ると私の意識は鮮明になるとともに飛んだ。トランス。この感覚を覚えてる。久しぶりのこの感覚。彼らの作る世界観に直に触れるのは2年振りだ。
剛はファンが埋め尽くした客席を「母性の海」としばしば表現するが、色々な思いをそれぞれが抱えながら集まった東京ドーム。わたしは、恒例行事として参加していた時とは異なる感情で臨んでいた。剛の体調は大丈夫なんだろうか、2年前はオーケストラ構成でコンサートが行われたが、今回はアンプを使うのだろうか、といった心配の気持ちも、2年ぶりにKinKi Kidsの2人に会える、という興奮も私の中には同じくらいあった。
これを書いている今、「Endless SHOCK」が一定期間公演中止になった。行くはずだった中止公演のチケットを払い戻してちょっと寂しくなってしまったので、一気にここにキンキコン「KinKi Kids Concert Tour 2019-2020 ThanKs 2 YOU」の思い出を書き記してほっこりしたいと思う。
- 光一さんのフライングドームコンぶっ込み
- グッズがモード、しかしペンラが無い
- 開演前の噴水の演出
- 「愛のかたまり」に始まり、「You…」に終わる
- 2人の意思が感じられたセットリスト
- 「KANZAI BOYA」と「買い物ブギー」がめちゃんこかっこ良かった
- 「The Red Light」ライブ初披露
光一さんのフライングドームコンぶっ込み
KinKi Kidsが2019年10月に行った「どんなもんヤ」のラジオ特番、終盤ギリギリのところで光一さんが放った言葉が忘れられない。KinKi Kidsのドームコンサートはこの時点で動き始めていた。
光一「俺、最後の最後にぶっこむからな」
わたし「で、でた〜切り込み隊長光一〜みんながあえて言わないこと言っちゃうやつ〜〜(わくわく)」
わたし「およよよぶっ込みってこれか?!」
光一「あと10秒ぐらいしかない…俺ぶっ込むで?ぶっ込むで?キンキ、ドームライブやります!」
剛「おっ」
光一「言ったらあかん言われてんけど言った!」
剛「あ、そうなん?」
光一・剛「さようなら〜〜!!!」
わたし「えええええええええドームコンサート?!?!?!えええええ?!?!ええええ?!?!….ええええええ?!?!」
ドームうれぴよすぎる泣ける本当にありがとうキンキさん#doya #kinkikidsどんなもんヤ四半世紀スペシャル #つよしひかり
— きんきらなか (@kyankinki4u) 2019年10月10日
やっとKinKi Kidsに会えるんだね……!感無量すぎる……!!#つよしひかり
— きんきらなか (@kyankinki4u) 2019年10月10日
おそらくオフィシャルのリリースに先んじての発表となった光一のぶっ込みによって、自動的に私の2019年の12月の予定が確定し、生命力が煮えたぎった。絶対コンサートに行きたい。何しろ2年ぶりのキンキコンだ。2年間、生身のKinKi Kidsを目にしていなかった。これから12月まではKinKi Kidsのコンサートに行くための準備期間だと思うと身震いした。
万が一チケットが取れなかったとしても、Twitterに流れてくるレポを逐一追って、KinKi Kidsファンの皆さんと一緒に楽しみたいと思っていた。チケットがあろうとなかろうと、12月と正月にKinKi Kidsがコンサートをするということに変わりはないのだ。その事実だけで、本当に本当に嬉しかった。
運良く同行する予定の方とそれぞれ日程がずれてチケットが当選したため、東京公演の2日間に入ることができた。
グッズがモード、しかしペンラが無い
やっと寒くなってきた12月、東京ドームに着いた時点で独特の高揚感があった。
まず驚いたのは、グッズがモード。
グッズが公式発表された時点で、KinKi Kidsの現場ではあまり売られてこなかったうちわがラインナップされているにも関わらず、ペンライトが無いということに若干の疑念を覚えていた。
「なぜペンラがなくうちわだけが…?もしや途中でジェロマのペンラさばき並のうちわ芸を?キンキファンのポテンシャルを試しているのか…?」と思いながら当日までの日々を過ごしていた。しかし蓋を開けてみると、そこには白黒プリントのおしゃれなうちわが。
そう、なんかスタイリッシュ!背中あわせに佇む2人は、ともに目線を遠くに投げかけていて、アンニュイな感じ。ここ最近、剛がロングヘアにしたり、光一が「ナイツ・テイル」で伸ばしたりと、髪型の変動が大きいKinKi Kids、2019年末は2人ともさっぱり短かったね。
裏面には、銀箔で装飾されたKinKi Kidsのロゴやコンサートタイトル「ThanKs 2 YOU」が鎮座している。コンサートタイトルの「T」は青、「K」は赤に彩られていた。アンニュイで哀愁もあるんだけど、スペイシーな感じもする。おしゃれなので、ちょっと迷っていたがうちわを買うことに。
ちなみに、存在しているだけでファンサービスなKinKi Kidsのコンサートにおいて、コンサート中にうちわを掲げる必要性を私自身はあまり感じていなかった。光一さんからは「見えてねえから!」って言われるし……。
それでも頑張って作ってきているファンの方も見受けられ、それもそれで「あのうちわかわいいな」と思ったりするのも楽しい。キンキコンで自作うちわを掲げる人の割合は、他のジャニーズグループと比較すると極めて少ないのでいらっしゃるとついつい見てしまう。今回オフィシャルのうちわがあったので1日目は買ったばかりのものを掲げていたが、2日目は持って行かなかった。なんか、持たなくても楽しいからいいかなって思って。
そのかわり、過去のペンライトを両日とも持って行った。赤青に光るウィアコンツアーのペンラの電池が切れていたため、白く光るウィアコンドームのペンラと、ふぉ〜ゆ〜「ENTA!2」からのハシゴ参戦だったため、ふぉ〜ゆ〜の「ふゆパラ」ペンラも持って行った。同行してくださった剛くんファンの先輩は、ふぉ〜ゆ〜のペンラを見て、「ゆるいデザインがふぉ〜ゆ〜らしくて良い」と言ってウケていた。確かに、キラキラしたシンプルなペンライトにひらがなと伸ばし棒「〜」が浮かんでいるペンライト、ちょっとゆるい。ちなみにふぉ〜ゆ〜ペンラは↓画像の左側に写っているやつです。シンプルイズベスト。
↑左から)「ENTA!2」タオル、ふぉ〜ゆ〜ペンライト、ふぉ〜ゆ〜チケットファイル、「ENTA!」パンフレット、「ENTA!」フライヤー、辰巳雄大くんうちわ、ふぉ〜ゆ〜ミラー、「ENTA!2」パンフレット
会場内には、様々なペンライトが混在していてMコンやファミコン、緊急コンなど歴代キンキコンのペンラが集結していた。中でもやっぱりかっこいいなと思ったのはLコンのペンライト。十手のようにミニマルなL字のデザインが素敵。メンバーカラーの赤青に光るだけでなく、オレンジに光るところもおしゃれだ。ちなみに私はLコンの時はレポ待機組だったのでLコンペンラを持っていない。
そして、公式フォトではなんと光一さんが微笑んでいた。KinKi Kids集合カットでは、剛くんが真顔でキメている傍ら、光一さんは微笑みを携えながらピースをしている。また、光一さんソロカットではにっこりダブルピース!!!
光一さんは、自ら写真が苦手だと公言し、雑誌やオフィシャル写真でもソロカットではほとんど笑っていない。「Endless SHOCK」のオフィシャルフォトや、MV撮影の不意打ちショット(と思われる)では笑みを見せているものの、真顔が多い光一さん。その光一さんがキンキの公式写真で笑うなんてレアすぎて、同行者の先輩に「こ、光一さんが笑ってピースしてますけどわたしの視力大丈夫ですかね?!」と思わず聞いてしまった。貴重すぎるので集合・光一さんフォトも購入。ここからして、すでにコンサートの期待値はメーターを振り切っていた。
開演前の噴水の演出
中に入るとドームの中は薄暗くて、ステージ脇には噴水が。そういえば、あんまりキンキコンで水を使った演出ってなかったような…と思った(もしあったらごめんなさい)。ステージ上には、舞台を覆うようにして巨大なパネルが二枚設置されていた。キンキコンのダイナミックなスケールが懐かしく、やっぱり12月はこれだよねとしみじみ思った。
同行してくださった先輩と世間話をしていると、オーケストラ演奏による「Family 〜ひとつになること」のBGMとともに、まるで花火のように華やかな噴水ショーがスタート。鮮やかなカラーに照らし出された噴水が躍動的に形を変え、かなりの高さまで水が跳ね上がった。その様子は、海外のホテルにある大きくてラグジュアリーな噴水のようだった(イメージ)。ラスベガスとか香港みたいな(イメージ)。
MCで光一さんが言っていたが、光一さんは開演前に一瞬客席に降りて、噴水ショーに対する客席の様子を見ていたらしい。どこにいたんだろう、気づいた人っていたんだろうか。
かなりの勢いがあったけど、噴水に面した席の人たちは水しぶきを浴びたりはしなかったのだろうか。ちなみに、コンサート内でもこの噴水を使った演出があり、噴水のふもとはその都度びしゃびしゃになっていた。それを雑巾でさっさと拭き取るスタッフの方がたくさんいて、噴水もただ水飛ばせばいいって訳じゃないのね、としみじみ感じ入っていた。
「愛のかたまり」に始まり、「You…」に終わる
暗転すると、ステージを覆っていたどでかいパネルがゆっくりと開き、KinKi Kidsが登場した。2人の存在がまぶしい。2年ぶりに2人が同じ空間にいる。その事実だけで、もうなんか言葉にならない。
2人のオーラもそうなんだけど、衣装も物理的にまぶしかった。剛くんは、鏡の破片を散りばめたジャケットを着ていて、スポットライトを反映してはキラッキラギラッギラに光っていた。そう、宇宙からこの世に降り立った王子のような感じ。
光一さんは、金の模様が入った赤いロングジャケットにシャツ、リボンの正統派ノーブルスタイル。そう、おとぎ話の国からこの世に降り立った王子のような感じ。
KinKi Kidsの新しい神話が始まった。「光の気配」のキャッチコピーから言葉を借りるが、本当にそう感じた。ドームコンサートは、2人にとっての新たなフェーズの始まりだったように思う。
「愛のかたまり」から幕を開けたコンサート。あまりにド直球ストレートな選曲。だけど、それが良かった。充分すぎるくらい、ありあまるくらいの愛を感じた。
それは2人からのファンへ、2人を軸にしたKinKi Kidsワールドへの愛だとオープニング時点では感じていたけど、同時に間違いなくジャニーさんへの愛だった。ジャニーさんがいない中で行われる初めてのドームコンサートが幕を開ける、その事への2人の気合いが表れていた。
オチから話す感じで恐縮ですが、オープニングの「愛のかたまり」とラストの「You…」は対になっていると思っていて。「今までも、これからもKinKi Kidsが2人でKinKi Kidsであること」を象徴する2曲だと感じた。
「ジャニーズ伝説」でA.B.C-Zが歌ったのとは異なる、“KinKi Kidsの友情”を歌ったバージョンの「You…」。剛さんが書いた歌詞の中には、ジャニーさんの死という、ものすごく重大な喪失に直面した時の剛さん目線の光一さんが描かれていた。明示されているわけではないけれど、明らかにそう示唆する形で。そして、これからも同じステージに立ち、同じ船に乗って運命を共にしていく、KinKi Kidsの強い繋がりも表現されていた。歌っている2人を見て、KinKi Kidsの2人の思いが重なる部分を見たような気がする。
とても特別な歌だったけれど、そこに過剰さはなく、2人はこれまでの、そしてこれからの延長線上の途中に立って歌っていた。彼らはごく当たり前に佇んでいた、でも、その姿があまりに輝きに満ちていた。多くの人の愛ある眼差しが降り注ぐ中で、強い光が彼らを照らしていることだけは、間違いなかった。「You…」が終わり、ステージ上のパネルが閉じると、飾らない笑顔で2人肩を並べるKinKi Kidsの写真が写し出された。あの2人の表情が全て、そう思った。
2人の意思が感じられたセットリスト
今回のドームコンサートは、セットリストもすごく印象的だった。いつものキンキコンでは、年1回のコンサートだから、王道の曲+新曲をメインにしたセットリストが組まれてきたように思う。だけど、今回は、2人の「これがやりたい」が明確に感じられたのがとても良かった。象徴的だったのは、「lOve in the Φ」「Give me your love」「Want you」「ボーダーライン」など。「Want you」は、光一さんがMCで「この曲いいよね〜!!」と力強く言っていて、なるほど確かにこういう曲好きそうだなと思った。サウンドとかノリが光一さんのソロアルバムに近いような気がする。
「ボーダーライン」は、剛さんからのプッシュあってセトリ入りを果たした曲。「B album」に収録されているこの「ボーダーライン」には、KinKi Kidsがまだあどけなさを残した声で関西弁の合いの手を入れている。剛が目をつけたのは、曲最後に入れられている「明日僕何時入り?(剛パート)」「とんこつ味〜(光一)」というセリフ。光一さんの、なんとも言えない「とんこつ味〜」の声が頭から離れなくなったらしい。
コンサートでは、2人の合いの手部分をサンプリングし、ワンタッチで再生できるようにしていた。やはり「とんこつ味〜」が気に入っている剛さんは、「とんっ、とんっ、とんっ、とんこつ味〜」など、「とんこつ味〜」を乱用して遊んでいた。正直、私自身もあまり「ボーダーライン」を集中して聞いていたわけではなかったので、今までどっちかというと聞き流していたのだが、このコンサートを機に「ボーダーライン」がたまらなく愛おしい曲の仲間入りを果たした。合いの手も愛おしいし、なんならうっすらレゲエなゆるゆる感も愛おしい。剛くんも言っていたが、押すだけで「とんこつ味〜」音が流れる「とんこつ味ボタン」をグッズ化して販売してほしい。絶対に買うので。
「KANZAI BOYA」と「買い物ブギー」がめちゃんこかっこ良かった
「KANZAI BOYA」と「買い物ブギー」、どちらもファンキーなスタイルで披露された2曲だが、猛烈にかっこ良かった。映像化が待ち遠しいのはもちろんだが、別添えでCD化も希望。っていうかシングルかアルバムに収録してほしい。「KANZAI BOYA」は、軽妙なノリで、KinKi Kidsの元々のユニット名であったカンサイボーヤ(KANZAI BOYA)について歌った曲。文字にすると「カン♪♪サイボーヤ♪素敵なネ〜〜ム♪」みたいな感じ(伝わってくれ)。
KinKi Kidsに改名になる、というところで曲のオチがつくのもまたファニーな感じ。全編を通して剛くんが1人で歌っていたが、カンサイボーヤからKinKi Kidsに改名されるオチからの「全然♪変わって♪ない!!!♪♪♪」という美味しいラストのみ、光一さんがフィーチャーされる。
「買い物ブギー」では、「KANZAI BOYA」とは逆に、光一さんがほぼ全編を1人で歌って踊り、剛くんはギターを担当。ステージ上には買い物カゴを掲げてスタイリッシュなポーズをとるダンサーさんたちがスタンバイしていた。キンキがまだ幼かった頃に歌っていた「買い物ブギー」とは異なる、スタイリッシュな曲調にアレンジされていた。「わてほんまによう云わんわ」の光一さんのダンスが好きすぎました、くるっくるってやるやつ(語彙力不足)。ファンキーな曲調に光一さんの歌声が乗るのもちょっとまた新鮮に感じられて、なんかお洒落でかっこいい!と思いました。曲中、「アホかいな」というキメの部分を剛くんが担当していて、全身全霊の「アホかいな」を聞けて良かった。実際、あのキメ「アホかいな」は緊張するだろな…と思いながら見ていた。これも音源化を望みます、毎日聞いちゃうな。
「The Red Light」ライブ初披露
あと、本当に時系列バラバラですが割と序盤に「The Red Light」を披露してくれたのはとても嬉しかった。コンサートで実演するのは初めてとなった「The Red Light」。というか、発売当時は番宣などもない状況だったため、MV以外でKinKi Kidsが「The Red Light」を歌うところを初めて見た。アレンジされていて「The Red Light」だということに最初は全然気づかなかったけど、場内の驚きに満ちたどよめき、悲鳴が凄かったのを覚えている。おそらくみんなうれしかったんじゃないかな、と思う。「The Red Light」、エッジが効いてて刺激的でかっこ良かった。またやってほしい。