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ふぉ〜ゆ〜の"屈折"した悪人姿が光る舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』感想

ふぉ〜ゆ〜主演の“クリフォー”こと舞台『CRIMINAL FOUR(クリミナル フォー) ―愛しき大悪党―』とても良かった〜!東京IMM THEATER公演を観に行ったのですが、最初観劇した直後にもう1回見たい、と思って当日引換券探したら既に売り切れていて「まあそうだよな……わかる…!」となった。

ふぉ〜ゆ〜が全員で犯罪集団を演じる、という時点でかなり楽しみだったのですが、観劇後の満足感がすごい。良い時間でした。ふぉ〜ゆ〜が演じた役柄は当て書きした部分もある*1というだけあって、ふぉ〜ゆ〜4人の元々のキャラとクロスするような人物像だったな、と思う。まず私の主観込みでクリフォーの主な登場人物を振り返っていきます。

そしてすみません、ネタバレなしで舞台の感想書けないのでネタバレします。

 

このスポット映像も超よかったですよね。 

 

犯罪集団「ル・ミラージュ」

パリで暗躍する犯罪集団。極悪人をターゲットに巧妙な犯罪を仕掛けるユーゴ、シモン、ライアン、ガスパールの4人組。パリ市長選挙に立候補し、圧倒的な支持を集めていたシルヴィー・ゴールドスミスの裏の顔を探り、その陰謀に切り込んでいくミッションを任される。

ユーゴ(福田悠太)

警察官として働く一方、「ル・ミラージュ」のリーダーとしてみんなを牽引している。ユーゴはヘラヘラ、ひらひら、飄々としている風で内に炎を秘めているタイプだな〜と思っていて、標的を定めた以上は確実に仕留める!という覚悟が見える。敵に回すと一番怖いのユーゴだと思った。シルヴィーに関するミッションが想定以上に危険で、組織ごと消されるかもしれないという危機に直面した時でも「ヨユーで続行!」って一番最初に言うのはユーゴなんだよな。

あと、序盤の方でライアンが高圧的な新聞記者にスリを仕掛け、財布を盗んだ後に「お巡りさん!同じところに財布が二つ!」ってグルのユーゴにわざとらしく声をかける場面があるんですけど、その時のユーゴの悪人オーラの消し方(?)がすごくて、財布を渡された警官がユーゴだって気付くのに時間かかった。その前の場面のユーゴと全然オーラが違ったんだよね。福ちゃんすごいなと思いました。

警察官モードの時のユーゴが黒縁メガネをかけているのですが、茶髪パーマで黒縁メガネの福ちゃん、パリの人の雰囲気あって良かったです。

あと、物語の中盤でミッションが想定していたよりも危険なことがわかって、手を引くのが得策だと話す「ル・ミラージュ」の創設者ロイドに対してユーゴが「得策ね……」って思案するんだけど、“得策”って言葉に引っかかるユーゴを見て『優秀病棟 素通り科』で福ちゃんが演じた飯塚さんの「死ぬのが得策」っていうセリフを思い出した*2。「得策」って納得しがたいものや難しいことを納得させるために使う言葉なんだな〜と思った。

シモン(越岡裕貴)

天才的IQを持ち、クールな性格。他の3人がワーキャーやってても「やれやれ…」と思いながら1人で静かに俯瞰してるような感じのキャラ。ビューティーを専門にしているアドバイザーだけあって美容への感度が高い。あと声も高い。

「ル・ミラージュ」のアジトに集まっている時に着ている服がひらひらした花柄っぽい柄と黒地を切り替えた衣装だったんですけど、超似合っていた。↓この時着てるやつです。

 

現場に潜入する時は「ル・ミラージュ」みんな黒っぽい服を着ていて、その中でもシモンが超タイトなレザーのライダースにレザースキニーだったの、さすがビューティーアドバイザーの美意識が表れた佇まいをしているわね…となった。遠目にほぼボディスーツだった。多分防犯センサーをくぐり抜けるミッションのためなんだろうけど、超似合ってました。レーザーセキュリティもそうだし、アクションのスローモーションでもこっしーの姿勢の良さが際立っていました。

なんかシモンの衣装全部良かったんだよな、幼少期のあの8分丈みたいなワイドパンツもおしゃれだったよね!?

あとシモンが誰かの考えを褒めるときに「それは美しい考え方だね」って言うのがとても好きでした。

ライアン(辰巳雄大)

表向きは保険の営業屋。“人たらし”で、見かけ上はあんまり悪人っぽく見えない人。ライアンのあの赤いスーツも良かったな〜〜ちょっと胡散臭そうな感じで。

辰巳くんがクリフォー公式サイトのキャストコメントで「詐欺のニュースを見るたびに人の心理を操る力と演技力、トーク力を人を喜ばせる方向に使えばいいのにと思っていましたが」*3って言ってて、この発言が真っ先に出てくるの根っからの良い人じゃん……って思った*4んですけど、そういう辰巳くんの真っすぐさもライアンのキャラクターに反映されていたような気がします。

 

ライアンは母親から捨てられた過去があり、孤児院でユーゴやシモン、ガスパールと出会う。ミッションの最中に母親をネタにシルヴィーからゆすられ、「ル・ミラージュ」の仲間を取るかシルヴィーの側につくかで葛藤することになるのですが、自分の取った行動に対して大泣きしてるシーン超切なかったですね。どうにもならなくなった時の泣き方だったな。

その場面から孤児院に入った頃に切り替わっていくんだけど、大人のライアンの泣き顔からスーっと幼い泣き顔になったのがわかった。孤児院に来たばっかりの泣き虫ライアンが他の3人からいじられてるの微笑ましいな〜と思って見てたら「だって大好きなママが〜!」って言いながらさらに泣き始めて。結局「お前ママとか言うなよ〜…」とか言って4人全員泣き出すので私もつられて泣きました。悲しい。近くで観てた人もここで泣いてた。

この場面見ながら辰巳くんってこの前見たリーディング音楽劇『ジャングル大帝』レオ編でもママと離れ離れになる場面あったなとか、『ぼくの名前はズッキーニ』も孤児院のお話だったな、と思い出していた。

子供が泣いてる描写が切ないのもそうだし、大人になったライアンが今度は自分の“家族”みたいな仲間を思って泣いてるのが切なかった。ライアンを軸に現在→幼少期→現在が地続きになっている場面構成だったんだけど、その時間軸で描くことで、ライアンは「自分を置いていった母親との別れ」と「自分が置いていった仲間との別れ」の2回を経験した、というのが対比的に表現されているんですよね。なんかそう考えてみると大人になったライアンの涙が余計に切なく感じられるというか。

辰巳くんって不器用なキャラクターを演じるとすごい魅力的に見える人だなと思っていて*5、多分人間味のいろんな引き出しを持っているんだと思う。仲間を裏切ることになって「おれは情けない、みっともない」って言いながら泣いてる姿がすごい良かったです。何年か経ってもまた思い出すと思う。それぐらい良かった。

話は変わって、ライアンはエミリーがパーソナリティを務めるFMラジオの熱心なリスナーでもあり、エミリーは大好きな「推し」。

エミリーに向かって「恋愛的な執着とは違うので!『推し』として大好きなので!!」って言ってる場面あったな〜そういえば。好きの種類の違いは本当にそうなんですけど(人によるかもしれないが*6)、ファンであることや応援していることを伝えるときに「推し」って本人に言うかなー?というところはやや気になった。数年前まで私も違和感なく使ってたはずなんだけど、「推し活」って言葉を聞くと推しのための活動をしているみたいな…いやそうじゃなくて…私がアイドルを好きで応援していて、それって活動をしようとしているのとちょっとニュアンスが違くて…みたいな違和感を持つようになってしまいました。なので私だったら自分から「あなたが推しです」は言わないだろうし、「推し活をしています」も言わないかな〜。話がそれましたね。

でもライアンが、エミリーに対して「これはあなた(エミリー)のためにやっているんじゃなくて、僕が自分のためにやっているんです」「応援は自分のためです!」って言っていてそれはわかると思いました。アイドルを応援したくて何かをする時、たとえば動画の再生回数上げようと頑張ったり、グッズ買ったり、何回もコンサートや舞台を観に行ったりするのって、矢印が相手に向いているようで実は自分に向いてるよねっていうのは本当にそうだなと思う。100%自分に向いているというわけでもないとは思うけどね。

ちなみに、ライアンが何やら訳あり顔のエミリーに対して「よかったらお話してください、でもあなたが話したいことだけでいい。もし話したくないと思ったらここで終わりでもいい」というのは傾聴の姿勢としては100点で、なかなかできることではない。自分より幼い兄弟がいたり、施設で色々な人と出会ったりしたことで人のトラウマや痛みに対して、丁寧に向き合うような習慣がついたのかな、と思いました。

ガスパール(松崎佑介)

ガスパールは身体能力に長けており、ジムインストラクターとして働く。どこにでもガンを飛ばすような見るからにガラ悪いお兄さんって感じだと思ったけど、元フーリガンだから血の気が多い、という設定なんですね。松崎くんの悪人演技すごい良かったな。ワー!やんちゃそう〜!悪そう〜〜!な存在感があってかっこよかった。パルクールも目立つ動作が多かった気がする。(パルクール…走る、飛ぶ、登るなど移動の基本動作をベースにしたフランス発祥の運動のこと、ちなみに松崎くんはインタビューでパルクールと言おうとしてパニクールと言っていた*7)アクションしてる時の松崎くん俊敏でかっこいいよね。ゴールドスミス家の屈強な門番を蹴散らすのもガスパールの役目で、「あとは俺に任せろ!」だったし、見た目も強いし腕っぷしも強いキャラなんだよね。かっこいい。

あとガスパールって4人の中でボケツッコミのどちらかでいうとツッコミを入れる方のキャラだと思うんですが、そういうキャラクターを松崎くんが演じてるのも新鮮で良かったと思います。思ったことをストレートに口にするし、すぐツッコミ入れるし、なおかつ切れ味が鋭い。ガスパールは隙のないキャラクターだなと思いました。松崎くんもっと悪役やってください。犯罪者繋がり(?)でいうと「SHOW BOY」のマフィアも良かったですよね。

「ル・ミラージュ」と関わる人たち

エミリー(大原優乃)

地域FMラジオのパーソナリティ。地域で日々の暮らしに関する情報を発信しているが、シルヴィーの演説に参加。その後、自身の番組でシルヴィーに煽動される市民たちに釘を刺すような発言をしたことで番組を降板となってしまう。エミリーの熱心なファンであるライアンはそんなエミリーの様子をを心配するが、エミリーから彼女の意外な過去を聞くことになる。

 エミリーはその時々で自分が不利な立場になるとしても自分の信念を曲げない選択をできる人で、強さと賢さを持っている。倫理観もしっかりしてるから、たとえ敵であっても騙し討ちすることに初めは躊躇を見せたりもするんだけど、ライアンたちとの出会いによって、少し頑なでもあったエミリーの考え方が徐々に変化していく。

彼女の中にあった復讐心が徐々に形を変えてより前向きになっていったことを「(ル・ミラージュと世界平和に向かって活動していくなかで)黒かった気持ちがグレーくらいになった」って言ってたけど、人間らしい気持ちの動き方だな、と思った。考え方の出発点は変わっていないんだけど、意識の向け方が変わることでポジティブになっていくことってありますよね。

エミリーのように「不正は必ず正されるべき、そのために損をすることがあっても」という考え方は正義感に満ちていて素敵なんだけど、生きづらさを伴うもので苦しい選択だと思う(信念を貫いたことでエミリーは実際に職を失ったわけだし)。

でも生きづらくてもなんでも、不正を見過ごして楽な方に流れていって結果的に良いことなんてないんだよね。  選挙の時、わかりやすい対立候補に煽動されて流されていく人々の姿って、最近もそうだし歴史的にもたくさんそういう場面があったわけで。自分も煽動される市民の1人になりうるし、ただ社会が終わっていくのを見ている市民の1人になりうるのだけど、その前に立ち止まること、多数派=選ぶべき選択肢だと思わないこと、熱狂の裏に何があるのかを考えることって大事だな、とエミリーの姿を見ながらしみじみと考えました。

シルヴィー(蘭寿とむ)

パリ市長選挙の有力候補。圧倒的な市民の支持を集める民間企業のCEO。そういう政治的権力者ってどこかでいたような…という設定もりもりですね。でも白いスーツを着てコンコルド広場の演説台に立ち、理想を掲げる姿はかっこよかった。最初シルヴィーが登場した時、その存在感に圧倒されました。聴衆が陶酔するのもわかる、シルヴィーみたいな人がお立ち台に立ってたらジャンヌ・ダルクの再来だと信じたくなるのもわかる。

私、直接蘭寿さんが舞台に立つ姿を見たのは初めてなのですが、ただそこに立っているだけで光輝いて見えるあのオーラは何なのでしょうか。ものすごかったな。白スーツもかっこよかったけど、シルヴィーの部屋着(?)みたいなシルクガウンも素敵でした。

ちなみにシルヴィーを見た瞬間ホワイトのスーツ、という点でカマラ・ハリスや蓮舫の姿が頭に浮かびましたが、そもそもなぜ女性の政治家は白のスーツを着ているのをよく見るんだろう?と素朴な疑問が浮かんできました。

調べてみたら白のスーツは女性の参政権運動の象徴*8なんですね。女性たちと連帯するというメッセージでもある。だから女性の権利拡大に消極的なトランプ大統領の一般教書演説の時*9や、女性蔑視発言をしたオリパラ大会組織委員会の森会長に抗議を示す時*10、女性議員たちが白スーツを着用してきた。女性として政治家という立場を担い、女性に寄り添うというメッセージがある服。シルヴィーにとっても、女性と連帯するというメッセージはアピールポイントの一つだったのでしょうか。

「豊かなパリにするためにまず経済政策に力を入れていく」とシルヴィーは演説で発言していて、そんなシルヴィーに対してエミリーはジャーナリストの立場から「私たちの平和と文化は守られるんですか?」「本当にできるのか?」と疑問を投げかける。

私はシルヴィーの演説だけ聞いていた時は「まあ不況に陥ってる世の中なんだから経済を立て直すのが最重要と考えるのはそうだよね」とのほほんと考えていたのですが、蓋を開けてみたらシルヴィーは闇の武器商人で、軍事的な需要が増すほどに自分も利益を得ることができる人。シルヴィー曰く“第一次と第二次で止まってるアレ”=世界大戦を引き起こすこと、その権力を掌握することで一族の繁栄を狙っている。

「結局みんな”愛”を言い訳に保身に走る」「身の回りの小さな人間関係の範囲にいる人たちが幸せならみんなそれでいいんだから」「戦争など終わるはずがないのはその理由が"愛"だから」みたいなことを言っていて、利益のために戦争を目論んでいる一番選んじゃいけないタイプのヤバ政治家だった。

「ル・ミラージュ」の戦略でSNS上や街中の民意は動きを見せ、圧倒的だったシルヴィーの支持率も物語を追うごとに揺らいでいくんだけど、なんかそういうの見ててもやっぱり煽られないことも自分が間違ってたと認めることも難しいんだなって思った。もしかしたらシルヴィーには黒い噂があるかもしれない、となったところでもシルヴィーの支持率をすぐにひっくり返せた訳ではなかった。

実際に自分の直感とかって全然あてにならなくて、正しい方でなく自分が信じたいものを正しいと思い込んで選ぶし、違和感を突き詰めて考えたり裏付けを取ろうとしたりはなかなかできないものなんだな〜みたいなことをシルヴィーの選挙戦を見ながらつらつら思いました。ちゃんとニュース見たり勉強したりしながら、煽られずに生きられるようになりたい。

エリック・ゼニガタ(吉田メタル)

ゼニガタ刑事はパリ警察の刑事で、福ちゃん演じるユーゴの上司にあたる人。ルパン三世の銭形警部の子孫。ゼニガタ刑事とユーゴの上司部下のゆる〜〜いやりとり良かったですね。あんな感じで気楽に仕事の話できる上司ほしい。あとハットかぶってるのかっこいい。ゼニガタ刑事、絶対に逮捕したるぜ〜!みたいなデカ魂はありつつカラッとした性格なの良いですよね。起こったことに対してはスパッと受け入れてハイ次!みたいな潔さがある。あと部下から煽てられると嬉しそうにしてるのかわいい。

エンタメ感と現実感の両方があって面白かった

登場人物を振り返りながら色々思い返してみたけど、既にもう1回観たいよ〜!になっている。再演とかしてくれないかな〜〜(気が早い)。でももう1回観たいよ〜〜〜!!現実の世界とリンクしてるから、色々な見方ができるのが面白い。

あとエンタメを感じられる世界観も好きだった。映画「オーシャンズ」シリーズみたいな華やかさにより濃く人間味をのせていった感じがして引き込まれたんだよな。ちなみに私『オーシャンズ8』大好きです。「オーシャンズ」シリーズもまた見返したくなっちゃった。

こっしーが公演前のインタビューで、劇中でふぉ〜ゆ〜が演じる「ル・ミラージュ」は、「犯罪集団ではあるけれど、弱い者ではなくて極悪人を相手にする人たちなので、『オーシャンズ11』みたいな感じですよね」と言及していますね。わかる。こっしー演じるシモンが大活躍する、レーザーの防犯センサーくぐり抜けのシーンとか「オーシャンズ」で見たやつだ!って思ったもんな。

magazine.confetti-web.com

パルクール、客席降り

あと、クリフォーのエンタメ感を後押ししていたのがパルクールのダイナミックさだと思う。冒頭のアクション、いよいよ物語が始まるんだ!っていう感じがしてものすごいワクワクした。

柵のついたボックス?状の台が舞台上に複数置かれていて、「ル・ミラージュ」がそこを縦横無尽に駆け抜け跳び回っていくんだけど、柵にぶら下がって敵陣に攻撃を仕掛けたりとか、身軽にジャンプしたりとか、目まぐるしく動き回る「ル・ミラージュ」、スペクタクルで良かった。辰巳くんが結構高さのある台から柵を乗り越えてそのまま着地していたのですが、「えっそこ飛び越えるの?!」と思ったら軽々とこなしていたのでびっくりしました。すごい。

あと客席降りがある、ということは観劇前からうっすら把握していましたが、客席にいる滞在時間があんなに長いとは!最近2階席が多かったのもあり、至近距離でふぉ〜ゆ〜を見たのがものすごく久しぶりだったので新鮮な気持ちになりました。

っていうか客席の陰に「ル・ミラージュ」が身を潜めるようにしてずっとしゃがんでるんですけど、通路前の席の皆さん、自分の背後にふぉ〜ゆ〜が隠れてるのめっちゃスリリングじゃないですか?!私は運よく全体像が見える位置で観ることができたのですが、観る客席の位置が変わると客席降りの場面の印象は変わりそうだな、とは思いました。

2回目を観に行って前方席だった時は、客席降りしたふぉ〜ゆ〜を見ようと振り返る首の角度には自分の限界を感じたんだけど、通路を満遍なく使った演出だったので本当にその場にいるような感じがして臨場感があり、楽しかったです。

光が屈折してできるのが蜃気楼“le mirage

『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』の物語の舞台は、パリ五輪から10年後のフランス・パリ。欧州情勢がより不安定になって、国も貧困が進んでいるという設定になっています。

貧困を背景に、一人ぼっちになった子どもたちが成長して犯罪集団となったのが「ル・ミラージュ」。彼らは行っていることそのものは犯罪ですが、世の中で不正をしている者から奪い取った金品を民衆に配っている、という点で理にはかなっている活動をしています。だから彼らは光が屈折してできる蜃気楼。人の目になかなか触れない場所で、やってることは黒だけど正義でもあるからその背後には光がある。

エミリーのモノローグの中に"le mirage"=蜃気楼は光が屈折してできるものだ、だから蜃気楼があるところには光があるという言葉がありましたが、いつか彼らが屈折しない光になる日は来るのでしょうか。それはゼニガタ刑事が彼らをやっと逮捕する日なのか、それとも世の中から彼らが必要とされなくなる=不正が消える日なのか。

 

劇中で辰巳雄大くん演じるライアンが熱心にラジオを聴いている場面があるのですが、少し古風なラジオを使っているように見えたので、最初観ながらこれっていつの時代の話なんだろうと思っていたのですが(物語の予備知識を頭に入れないで観劇していたのもある)、途中でSNSの描写が出てくるのと、生放送を聴きたがるライアンにユーゴが「ラジオなんてアーカイブで聴けるだろ!」って言い放つ場面を見てあっ、現代だわ……となりました。

ちなみにそんなユーゴの言葉に「おたより読まれたらどーすんだよ!」ってライアンが裏で憤ってるの可愛かった。そうだね、お便り読まれるかもしれないよね。ちなみに以下の公演レポート、写真が充実しており魅力を端的に書いてくださっておりとても素敵です。ラジオの写真も幼少期「ル・ミラージュ」も写ってます。

 

パリ五輪から10年後だったら2034年か〜。近年は「こんなこと考えられない」と思うような社会の動きが連続していった感じもあるし、10年後の世界情勢はまた全然違う風景になっているのかもしれない。あんまり先のこと考えると怖くなってきちゃうね。

「ル・ミラージュ」がどん詰まりになって、1人去っていったライアンに対して疑心暗鬼になりそうになっていた時にユーゴが「わかんねえよ!」というところがありますが、わかんねえことはわかんねえよな。わかることをわかって積み上げていくしかない。「わかんねえ」を正面から突っ切って前に進んでいこうとするユーゴ、めっちゃ良かったですよね……。あと、みんながわーーって泣いてる孤児院で自分もぐすぐすしながら「未来の話しなーい?!」って言う少年ユーゴも好きでした。泣いてても屈折してても前を向いていこうね。

超個人的な話なんですけど、私が最初にふぉ〜ゆ〜が4人で主演を務める舞台を最初に見たのが2016年の『23階の笑い』なので、舞台に通い始めてからもうすぐ10年くらいになるんだなと考えると感慨深いです。10年後どうやって暮らしているのか自分のことですら想像つかないけど、これからもたくさん良い作品に出てるふぉ〜ゆ〜を観ていけたらいいな!楽しみにしています。

 

p.s.

「消えかかった目標でも見なくなったら終わり」「遠くからでも目を凝らして見ないと」というライアンがエミリーにかけた言葉も印象に残っています。本当にそうだよね。私も目標を見逃さないように、くさらず後ろを向かずにちゃんと生きようと思いました。

身近な例を挙げると、当日券、諦めなければ入れることもあるということを学びました。最初クリフォーを観劇したあとどうしてももう一度見たかったけど、もう事前販売が終わっていて。当日券は若干枚数、しかも休日にしか行けない………厳しいかもしれない、えーんえーんと思いながらも会場に行って抽選に参加したら運良く入れたので嬉しかったです。しかも当日券って見切れ席なのかな、と勝手に思ってたら前方も前方だったのでびっくりした。諦めないで目を凝らしていたら、当日券もつかめるかもしれないです。

あと、ライアンが「見ていると幸せになれる、推しは日光のような存在」と言っていましたが、トリプルカテコでバチッとウインクしている辰巳くんを見た瞬間に「いま辰巳くんウインクしてたんですけど!!辰巳くん!!!!」となったので、好きな人を応援していると幸せになる、好きなアイドルは日光のような存在というのも本当にそうだな!と思いました!幸せ!!!

 

www.ktv.jp

*1:

【開幕レポート/後編】取材会の模様を、ほぼ全文でお届け!『CRIMINAL FOUR —愛しき大悪党—』 │ シアターウェブマガジン[カンフェティ]

*2:『優秀病棟 素通り科』配信でしか観られなかったけど面白い舞台でした。その時も感想書いた。ちなみに久々に自分で読み返して気づいたけど『ぼくの名前はズッキーニ』感想書きたいって書いておきながら書けないままになっていた。

kyanakoforyou.hatenablog.com

*3:

キャスト&スタッフ | CRIMINAL FOUR —愛しき大悪党— | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ

*4:もっと他のことに使えば良いのに、とかだったらまあわかるけど、「人を喜ばせる方向に使えば……」とさらっと言えるのがすごいなと思った。

*5:またちょっと違うキャラクターだけど『SHOW BOY』のマジシャン見習いも不器用に生きてる人だった。

*6:人にもよるし、時にもよるかもしれない。アイドルに対する好きって何の感情なんだろうって今まで結構考えたきたし、過去けっこう舞い上がってた自覚もあり……。今の自分の応援の仕方に落ち着いて、安定してアイドルを応援できているな〜と思っている。アイドル・推しに対する「好き」の考え方は本当に人それぞれで多岐に渡ると思う。

*7:

「山田ジャパン」の山田能龍と組んだ、グループ初のピカレスク芝居 善人集団のふぉ~ゆ~、悪人たちの物語で新境地に │ シアターウェブマガジン[カンフェティ]

*8:

カマラ・ハリス、その白いスーツが象徴するものは。|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)

*9:

アメリカの女性国会議員ら、トランプ大統領に白スーツで「対抗」 一般教書演説で集団着用か | ハフポスト WORLD

*10:

森会長に“抗議”女性議員が白いジャケット(2021年2月9日掲載)|日テレNEWS NNN