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ファッションとエンターテインメントについてふわふわ語る

6年前の私へ、2014年のSHOCKを見たらプレゾンを見よ

6年前の2014年、私は初めて「Endless SHOCK」を帝国劇場で観劇した。テレビのスター、KinKi Kids堂本光一さんが空間を舞い、階段から落ち、太鼓を叩きまくる、よくわからないけどスケールどでかい演出の数々に圧倒された。

6年前の2014年、就職と学校の卒業を前にして、社会人になることへの不安で満ち満ちていた私へ。不安なのはわかったから、「Endless SHOCK」を見たその帰りにジャニーズジュニア情報局に入会し「PLAYZONE(プレゾン)」のチケットを獲得せよ。

6年後、2020年の私は断言する。「PLAYZONE」のチケットを取らなかったこと、「PLAYZONE」のステージで踊る推しを肉眼で見られなかったこと、そして青山劇場に足を踏み入れられなかったことを、新卒でブラックな企業に入社したことよりも後悔する。タイムスリップできるなら2014年に戻りたい。戻ってプレゾンを肉眼で見たい。

あの当時プレゾンに出会っていたら、生で観劇していたら。当時勤めていた会社の前にあった運河に向かってうなだれながら「デスクに戻りたくない」って言って泣くことも、退職交渉中になぜか新卒懇親会に派遣されて新入社員の無垢なキラキラにダメージを受けることもなかった……かもしれない。これは余談です。

 

当時、私には「Endless SHOCK」があるから良いと思っていた。「Endless SHOCK」でスケールのでかいジャニーズのステージを体感できるから良い……。6年前の私、それは違う。

「Endless SHOCK」しかり「DREAM BOYS」しかり、「滝沢歌舞伎」しかり、「ABC座」しかり、そして「PLAYZONE」しかり、それぞれのカンパニーが劇場とともに走ってきた軌跡、それぞれが背負う歴史を持っている。それを劇場の座席に座って体感するのが面白い、本当に面白い。

ただ、それに気づいた時にはもう青山劇場はクローズしていた。

「ふぉ〜ゆ〜のぴたラジ」でしばしばプレゾンの名が登場する度に、気にはなっていた。気になりつつずっとDVDをポチれなかったのはきっと、もうどうせ青山劇場に入ることはできないと思っていたからだったのかもしれない。この自粛期間、どこの劇場にも物理的に行けなくなってしまった状況になって、改めて「そうだ、『PLAYZONE』を見よう」と思った。

 

買ったのは以下の2枚。青山劇場がクローズする直前の公演だ。

・「PLAYZONE 1986・・・・2014★ありがとう!~青山劇場★」

・「さよなら! ~青山劇場★ PLAYZONE 30YEARS ★1232公演」

 

 

 メインの翼・屋良・優馬がかっこいい

実際にDVDを見てまず思ったのは、座長の今井翼くん初め、屋良朝幸くん、中山優馬くんのメイン3人がまじでかっこいい。この2014年、2015年冬の「PLAYZONE」公演に関しては、少年隊の楽曲をはじめとする過去のジャニーズ楽曲を用いたショーで構成されている。自分がリアルタイムで通ってこなかった楽曲をメインに構成されているからなのか、コンサートとも舞台とも違い、なんか不思議な感覚になる。

ライトがたくさんあって、カラフルな光の中で踊り、歌う翼くん、屋良くん、優馬くんを見ていると幻感がすごい(まぼろし〜〜!)。ほとんどがカバーで自分の持ち歌ではないはずなのに不思議な説得力を持っていて、歌があって歌う人がいて、踊る人がいて、楽曲とパフォーマーの関係性はよくわからないけど、必然性は確かにあるような気がした。ふしぎ。

ヘルシーなライバル関係が垣間見える

そして、メインの3人を筆頭にして、ステージ上にいるふぉ〜ゆ〜、They武道、MAD、Travis Japanの全員がお互いを刺激しあっているような、なんか健康的なバチバチがあるのを感じた。実際はどうなのかわかる術はないけれども、私が見る限りでは、とてもヘルシーな感じの拮抗を感じる。スポーツマンシップみたいな感じ。確かに各々戦っているけど、相手を下に落とすというのではなく、それぞれがリスペクトし合いながら上を目指している感じの姿勢が見て取れる。

また、インタビューや「ぴたラジ」などから受けた印象としては、カンパニー全体もすごく信頼しあっている感じがしている(プレゾンの裏話となると、ふぉ〜ゆ〜はいつもキャッキャしながら話している気がする)。このカンパニーの一体感と空気感ってやっぱり座長とメインを張る人たちの努力あってのものだと思うので、それがメインの3人の佇まいにも、キャスト一人一人の佇まいにも表れているように思えてならない。

あと、私は翼の舞台を現場でもDVDでも見たことがなかったので、その舞台上での存在感と美しさが衝撃的だった。プレゾンの振り付けを手がけるトラヴィスが翼のことを「細部まで美しくこだわるグレイトショーマン」って言ってるけどすごいわかる。細かな表情や動きが美しくて、生で翼の舞台見てみたいと思った。あと、翼くんめちゃめちゃ真面目なお人柄がパフォーマンスからも言動からも伝わってくる。

「全員が主役」の演出・編集

これは2014年公演・2015年公演に共通して言えることだが、青山劇場の舞台装置を使ったフォーメーションと、ずっと引きの画をキープし続ける編集方法によって、本当にキャスト全員にスポットライトを当てる配慮がなされているのを感じて感動した。翼くんが、プレゾンは「全員が主役」の舞台だって言ってたけど、劇場一体型の演出も全体を見せるDVD編集も、それを体現している。

ずっと引きで映し出してくれるおかげで、推しの辰巳雄大くん(ふぉ〜ゆ〜)をずっと目で追い続けることができる。たまにフレームアウトすることもあるけれど、他の舞台・コンサートのDVDに比べて、映るカットが多くて嬉しい。もしかしたらクローズアップの画を望む人にとっては少し物足りないかも、と思うほど。フォーメーション上、ふぉ〜ゆ〜がメインの真後ろにいることが多い、というのもあるかもしれませんが、1人1人の動きがしっかり追えるの、本当にありがたいし良い。そして、これのおかげでトラジャ、They武道、MADといった各グループの良さもわかる。

 ダイヤモンド・アイズ/情熱の一夜/運命のひと

特に2015年のセトリが好きなのですが、私が好きな曲は「ダイヤモンド・アイズ」「情熱の一夜」「運命のひと」。

「ダイヤモンド・アイズ」は少年隊の曲らしいイケイケの曲調も好きなのですが、イケイケ空手(?)みたいな振りが本当に好きでな……。大人数で踊ってるととても舞台映えする曲で本当に良い〜〜、みんなで踊ってる感がある。始まるよ!!!って感じのワクワクする感じがする。あとふぉ〜ゆ〜の歌割が「街はどしゃ降り夕立ち〜」なのも「どしゃぶりヒーロー」を思い出すなどして良い。

「情熱の一夜」は、ふぉ〜ゆ〜のダンスがしっかり楽しめて好き。辰巳雄大くんのしなやかダンスまじでラブすぎる。そして全員登場して踊るので青春って感じがする。この例えが適切かはわかりませんが、なんとなく「ウォーターボーイズ」を見ているような、青春の輝きみたいなものを感じた。身も心もカンパニーが一体になってる感じがする。

あと何回も言うようで恐縮ですが、「情熱の一夜」を見ていると、後ろのフォーメーションまでしっかり見せる青山劇場の舞台装置が本当にすごいな、としみじみ思う。

「運命のひと」はふぉ〜ゆ〜+中山優馬くんの「ふぉ〜ゆ〜ま」で歌っていたのですが、良すぎて生で見たら絶対号泣している。DVDで見ても泣ける。エモーショナルがすごい。ふぉ〜ゆ〜のユニゾンの歌声って、優しさが滲み出てていいよね、とあらためて思った。優馬くんのハスキーな歌声も優しい感じで甘くてとても良かった。またどっかで「ふぉ〜ゆ〜ま」で歌ってくれないかな〜〜。

もちろんふぉ〜ゆ〜メイン曲の「気まぐれ One Way Boy」も好き。いきなりバイク4台出てきて面食らいましたが……。4人そろってティアドロップのサングラスかけてる。お気に入りのフレーズは「うふふふふー」です。

 リハーサル、コメントなど特典映像

特典映像はリハーサル風景やコメントが充実していて、ふぉ〜ゆ〜は一斉に喋り始めたり、マツは今でも着ている「ピンクのH」Tシャツを着ていたり、はたまた2015年冬の特典映像では翼くんの私服を着ていたり、期待通りのお茶目さ。2014年のコメントは、なんとなくふぉ〜ゆ〜みんな日焼けしていて新鮮だった。

同じく2014年の特典映像で、トラヴィスがふぉ〜ゆ〜のことを「ステイシージャパン」って言っていて、トラヴィス&ステイシーからもかなり信頼されてるんだなあと思った。「Endless SHOCK」のドキュメンタリーで紹介されていた、トラヴィス&ステイシーによる「Higher」ダンスリハを思い出した。

あと、初日公演始まる直前に感極まって涙を流すステイシーを見て、ショーへの愛情を感じた。クリネックスがあってよかったね。そして、初日公演カーテンコールの挨拶で涙を流す翼も素敵だった。クリネックスがあって良かったね。その姿を見ただけで、カンパニーと一緒に走ってきた時の流れを感じられるようでもあった。

PLAYZONE」は、劇場と演目に宿る魂の継承の形だったということをひしひしと感じた。ラスト公演の2枚のDVDを見ただけでおこがましいかもしれないですが。でも、ひとしきりこの余韻に漬かり切ったら、他の年の公演も遡って見てみたいと思った。プレゾンの空気感をもっと知りたい。

過去プレゾンに出演していて観劇しに来たゲストがしばしばコメントで言及していた、「青山劇場の匂い」が印象的なワードで、私はもうその匂いを身を以て知ることはできないんだな、とぼんやり思った。

おまけ・噂の椅子ドンと千秋楽お見送り

辰巳雄大くんの椅子ドンは、2014年の「Guys PLAYZONE」で確認できます。画面の端にしっかり映っている。「これが噂の椅子ドン……」と思いました。瞬殺………仕留められる……。

あと、千秋楽公演の終演後にキャスト全員でお客さんをお見送りする様子も収録されているのですが(2014年・15年それぞれ)、1人1人目を見て見送るキャストの皆さん素敵……。

でもいざ自分がキャストに見送られるってなったらどうやって歩けばええんやろか…と思ったな。推し(辰巳雄大くん)だけを見てるわけにもいかんし、みんなにありがとうって言いたいけどサクサク歩かないとだし……とか考えてました。頭の中でもし自分がプレゾン千秋楽のあの空間にいたら…と考えてるだけでわくわくする。多幸感いっぱいの千秋楽。やっぱり舞台っていいな〜と思いました。