文を書く in TOKYO

ファッションとエンターテインメントについてふわふわ語る

好きの所在について、現実と非現実

お題「わたしのアイドル」

ふぉ〜ゆ〜のおかげで、推しごとが充実しまくっていた2019年。超楽しかった。ただ、その一方で自分の中で、“好き” という気持ちの折り合いがわからなくなってしまい、年の瀬のほとんどこのことを考えていた。2019年、すっきり終わるためにここに全てを書き残しておきたいと思う。


「ENTA!2」で思いがけず良席を引き当ててしまい、完全に浮ついていた私は、「ENTA!2」における出来事を嬉々としながら非オタの先輩に話した。

事実、「ENTA!2」以降私の頭の中には常にふぉ〜ゆ〜がいて、辰巳雄大くん(推し)がいて、「ENTA!2」のことをいつでも鮮明に思い出すことができ、なおかつ幸せな気分に浸ることができた。

f:id:kyanakoforyou:20191231130930j:image ↑「ENTA!2」昼公演後のお台場は晴天でした!

しかし、そんな浮ついた私を見た女性の先輩2人からは、差し迫った感じで「絶対この推してるアイドルの子には恋人がいるに決まっている。絶対にこの人の恋人になるのは無理なんだから、目を覚ますべきだ」と言われた。恋人もろくに作らず、久々の恋バナもそこまでネタが無い割に、「ENTA!2」の話であまりに私が浮ついていたからだったのだろうか、「ファンレター書いたりもしてます」と言ったら「ストーカーみたいで怖い」と言われた。先輩達の目は真剣だった。

私はヘラヘラ笑いながら「え〜〜??」と返すので精一杯だった。心がバキバキと音を立てて折れていくのがわかる。帰ってからも、次の日仕事をしていても絶望感が消えてくれなくて、メンタルは瀕死だった。でも、仕事があって良かった。うっかり休みの日だったらあまりに悲しくて起き上がれなくなっていたかもしれない。

自分が思っている以上に打ちのめされてしまって、自分でも何がそんなにショックなのか把握できないままに、私の「辰巳雄大くんが好き」という気持ちは所在を無くした。「ENTA!2」や「ふゆパラ」「放課後の厨房男子」「SHOW BOY」……今年1年振り返ってみただけで、いくつも出てくるキラキラしたふぉ〜ゆ〜の思い出に土足で踏み込まれたような思いがした。

真偽のほどは確かめようがないにせよ、私は「推しに恋人がいる可能性がある」ということが悲しかったわけではない。みんな頭のどこかでわかっていることだ。でも、例えばミッキーマウスに向かって、実際には中に人が入っていて、その人がどういう人で、実は頭と胴体は分解できるということを高らかに言う人がもしいるとすれば、私はその人とは一生分かり合えない気がしていて、先輩から言われたことはそれに近い事だと思う。

 

それに、「絶対に恋人になることなんてできないんだから」「目を覚まして」という部分の意味が皮肉ではなく本当にわからなくて、書いてる今でも全身全霊で反論して拒否したいのに言葉が出てこなくて悔しい。

本気と書いてガチで雄大くんのことが好きだけど、それは絶対に恋人になりたいと思っている“好き”では無いし、もし仮にそうだったとしても、恋人になれる可能性がなかったら好きだと思う気持ちすら否定されなければいけないの?個人の気持ちは自由で良いはずでは……?そもそも「目を覚ませ」って寝てねえんだよ!しっかり起きてるわ!

 

kyanakoforyou.hatenablog.com

 

私がふぉ〜ゆ〜を、辰巳雄大くんを好きだと思う気持ちはリアルで、ステージにいた彼らも、iPhoneの画面上で見る彼らもリアルだと思ってきたけれど、そのどれもが実はリアルでは無かったのだろうか。「Everything 4 you」や、「Scandalous」、どんどん増えていくふぉ〜ゆ〜のオリジナル楽曲を聞いて、どんなことよりも嬉しいと思った私の感動は、私の外に出ていきようが無い気持ちは、どこに置けば良いの?

そんなことをつらつら考えていたら、ふぉ〜ゆ〜4人で登場するLINE LIVEの配信があった。クリスマスSPと題されたその配信回では、事前に「ふぉ〜ゆ〜に背中を押してほしいエピソード」を募集し、採用されたファンとふぉ〜ゆ〜が生電話することになっていた。

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↑クリスマス配信のふぉ〜ゆ〜。4人とも愉快でかわいいですね。

生電話には松崎くんファンが採用され、相談内容は端的にいうと、「5歳年下の男の子から告白されたが、松崎くんのことが一番好きだし付き合うかどうか迷っている。現実見ろよって背中を押してくれるか、このまま松崎くんのことを好きでいて良いよ、って背中を押してくれるか…」というものだった。

リアルと非現実の間を行き来していたところだった私にとって、内容は少し違えど、この方の質問はどこか他人事だと思えなかった。しかし、この結構センシティブなトピックに対して、ふぉ〜ゆ〜がどう答えるのか気になる。各メンバーの答えは以下の通り。

 

福ちゃん→マツが本当に相談者の方と付き合えるのであればそうすれば良いし、そうじゃないなら告白された男の子と付き合って、マツは毎年サンタクロースとしてクリスマスにプレゼントをあげるだけの存在になれば良いのではないか。

こっしー→「(松崎くんのことが好きでも良いから)とりあえず付き合ってみて」、というのは違う気がする。嫌いじゃないのであれば、付き合う前に遊んでみて、それでもマツが良いって言うのであれば、マツの住所(or LINE ID)教えるから!!

辰巳→相談者がマツを思う気持ちもわかる。でも一緒に今配信を見ていて、相談者と同じくらいマツのことが好きな人もたくさんいて、ライバルは多い。その中で、一人の男性が相談者の方に誕生日直前に告白するなんて相当な覚悟だから、一回お付き合いした上で、その男性と一緒にマツを応援してくれたら嬉しい。

マツ→俺か、俺以外か(笑)。

 

福ちゃんとこっしーは、リアルなように聞こえるけど結構フィクション型な答えだと思った。マツとのリアルな恋愛関係をちらつかせつつ、(でもフィクションだっていう前提ありきだからね?)っていうのをやんわり、そしておちゃらけながら伝えている。詰まるところは、告白してくれた男の子と向き合ってみたら、ということが言いたかったのだと思う。

マツは、感覚的に答えました!って感じ。松崎くんの可愛さってこういうところだと思う。シンプル。

それで、推しだからということでは無いのですが、私は雄大くんの答えに勇気をもらった気がする。相談者には「マツのことを好きなままで良い」と気持ちを否定せず、若干置いてけぼりになりつつあった、その他のファンの気持ちも拾ってくれた。「リアルでも幸せになって、ふぉ〜ゆ〜のことも好きでいてね」、そう言われた気がした。

あと、文字起こしていて気づいたけど、視聴者から一番支持の多かった雄大くんの答えと、福ちゃんの答えは言い方が違うだけで言ってることは一緒だね。ぶっつけでやるには、会話の導線をコントロールするのが難しい話題だったとは思う。

生電話は、身近さ、親しみやすさを売りにしている彼らならではの企画だと思った。友達同士でクリスマスに集まって飲んでいる、みたいな雰囲気の中に、1人だけとはいえ、ファンが入っていくことができる。ファンとより距離を近く!という彼らなりの思いがあったのでは?

私は楽しく見ていましたが、企画に対して思うところがある人がいるのも理解できます。(相談者の方はめちゃめちゃラッキーだったというだけなので、攻撃される理由は全く無いと思います、幸せになってほしい)。

そして、この生電話における雄大くんの回答こそが、私のスタンスになっていくのではないか、と思った。“好き”という気持ちのありかもまた戻ってきた。ずっとふぉ〜ゆ〜のことを、雄大くんのことを好きでいるために、ちゃんと生きていくね。いつもありがとう。

 

また、少し前に読んで心を動かされたにもかかわらず動揺していて思い出せなかったのですが、はらだ有彩さんの連載で「カードキャプターさくら」を取り上げた回にも勇気をもらいました。

www.daiwashobo.co.jp

“好きな人と唯一無二の関係にならなかった、私と好きな人の間に強い運命がなかった、でもただそれだけ”

“あなたを覚えておくことだけが、私の幸せ”

さくらに対する知世の“好き”のスタンスが解説されています。アイドルとファンの図式にも当てはまると思いました。

運命がなくても、恋人になれなくても、好きなままでいていい。

自信を持って2020年もふぉ〜ゆ〜、辰巳雄大くんを推していきたいと思います。良いお年を。